| タイトル |
水中投入式クロロフィル計への現場使用への道 |
| 担当機関 |
西海区水産研究所 |
| 研究期間 |
1995~2000 |
| 研究担当者 |
種子田雄
森永健司
中川倫寿
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| 発行年度 |
1999 |
| 要約 |
新しく導入した水中投入式クロロフィル計は、現場海水中のクロロフィル濃度測定器としてかなりの精度で、簡便に現場使用できることが確認できた。また、この測器を用いた夏季の調査から、クロロフィルの特徴的な鉛直微細分布と高濃度分布域を捉えることができた。
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| 背景・ねらい |
海洋の生物生産の出発点となる植物プランクトンは、魚類の資源変動や漁場形成と密接に関連していると考えられるので、組織的な観測を行いデータの蓄積を図る必要がある。この植物プランクトン量を把握する方法には、
- 海水をろ過し、ろ紙上に捕集した植物プランクトンから抽出したクロロフィル色素を測定する方法と、
- 植物プランクトンの発する蛍光強度を海水中で直接測定する方法
がある。前者は海水処理の煩雑さ等から漁況海況予報関連事業などで実施するには適さない。後者には、メモリー式の水中投入式クロロフィル計を用いる方法があり、蛍光強度をクロロフィル濃度に換算する必要があるが、CTDと同じような連続分布が測定でき、取り扱いが簡単である。本器を漁況海況予報事業などの組織的・定常的観測に導入するために検証調査等を行った。
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| 成果の内容・特徴 |
- 水中投入式クロロフィル計で測定した蛍光強度とクロロフィル濃度との関連性を調べるため、長崎県下の複数の漁港の海水を対象にして試験を行った。
- 蛍光センサー部を海面下に少し没する程度に岸壁から測器を吊り下げ、水圧センサーに人力で圧力を加えて複数個のデータを得た。データ収得直後に5リットル容バケツで測定対象となった海水を採取し、所定の前処理を施した後、アセトン・蛍光法により測定した。
- 得られたクロロフィル濃度と蛍光強度との相関関係は、データのバラツキが小さく極めて直線関係(相関係数 0.994)に近く(図1)、水中投入式クロロフィル計によるクロロフィルの定量化が可能なことを示している。
- 本器を用いた海洋調査(図2)の結果、クロロフィルの鉛直分布パターンは、ほとんどの測点で単峰型の分布であった(図3)。その極大値の水平分布をみると、高濃度域は九州西岸沿岸域から大陸棚にかけての200m深以浅の陸棚上にみられた(図4)。特に五島西方海域では17μg/リットル以上の高濃度域が見いだされた。
- 得られた鉛直分布と極大値は、これまで採水法から得られていたクロロフィル分布様式と異なり、上記の単峰型の分布は夏季特有の鉛直分布と考えられる。
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| 成果の活用面・留意点 |
海洋にはその海域特性に対応して様々な植物プランクトンが存在している。本研究では検証的な換算式を得るために漁港の海水を用い、精度を確認したが、より精度を高めるためには、調査対象海域の海水を用いることも必要になろう。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| 図表4 |
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| カテゴリ |
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