海色リモートセンシングを用いた海洋における全球規模の基礎生産の推定

タイトル 海色リモートセンシングを用いた海洋における全球規模の基礎生産の推定
担当機関 遠洋水産研究所
研究期間 2000~2002
研究担当者 亀田卓彦
瀬川恭平
発行年度 2000
要約 海色リモートセンシングで得られたクロロフィル濃度から基礎生産量を推定するアルゴリズムを改良した。そのアルゴリズムを用いて、全球での基礎生産の分布と、全球での生産量を推定した。
背景・ねらい 海色リモートセンシングにより、海面でのクロロフィルa濃度の分布が得られるようになった。クロロフィルa濃度は植物プランクトン量の指標であり、植物プランクトンは海洋における主要な基礎生産者である。これまでクロロフィルa濃度から基礎生産量を推定するアルゴリズムが提案されてきた。その中で Behrenfeld and Falkowski(1997)のアルゴリズムは単純で実用的と思われるが、日本近海のデータで検証した結果、推定精度はあまりよくなかった。そこで、このアルゴリズムを改良し、基礎生産量の推定を行った。
成果の内容・特徴
  • 船舶により観測された過去の基礎生産データを整理し、Behrenfeld and Falkowski(1997)のアルゴリズムに用いられる重要なパラメータであるPBopt(深度方向に最適条件でのクロロフィル当たりの基礎生産量)に着目した。従来、水温の関数だけで与えられていたPBoptが水温だけでなくクロロフィル濃度の関数あることを見いだし、これを加味したモデルを形成した(図1)。
  • 改良したPBoptのモデルをBehrenfeld and Falkowski(1997)のアルゴリズムに組み込んだ結果、元のアルゴリズムでは過大評価されていたクロロフィル高濃度海域での推定結果が改善された。
  • 改良したアルゴリズムと衛星により得られたデータを用いて、全球の基礎生産量を推定した(図2)。その結果、全球の基礎生産量は1998年の1年間で48PgC(=1015gC)となった。これはBehrenfeld and Falkowski(1997)のアルゴリズムを用いて推定した値の約90%である。
成果の活用面・留意点
  • 全球の海洋における基礎生産の季節変動、経年変動を把握することができる。その結果は魚類の資源量変動の解明などに応用することが期待される。
図表1 229156-1.gif
図表2 229156-2.gif
カテゴリ 季節変動 リモートセンシング

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