和歌山県日高南部地区における漁礁ブロックタイプ別の蝟集状況調査

タイトル 和歌山県日高南部地区における漁礁ブロックタイプ別の蝟集状況調査
担当機関 和歌山県農林水産総合技術センター水産試験場
研究期間 1998~2000
研究担当者 小久保 友義
発行年度 2000
要約 漁礁ブロック類型化を目的とし、漁礁ブロックタイプ別の蝟集状況調査を行うため、水中テレビ(ROV)を用いて、既設漁礁ブロックにおいて蝟集魚を調査した。
背景・ねらい 多種多様な漁礁ブロックが開発され、漁礁設置事業において使用されているが、個々のブロックの機能が明確な効果として現れていない。漁礁ブロックの形状は、多数存在しており、個々のうたわれている機能および価格を比較すると、それぞれの相違は少なく、形状選定が困難な状況である。
現在の国内の諸情勢から公共事業は、透明性を確保し、コストの縮減が大きな課題となっており、漁礁設置事業においても漁礁ブロックの選定作業の透明な根拠作りが必要になっているのが現状である。そこで、漁礁設置事業に使用された各種の漁礁ブロックの蝟集状況を明らかにする。これにより、沿整事業における漁礁設置事業の漁礁ブロック選定上の根拠を明確にする(調査した海域を図1に示す)。
成果の内容・特徴
  1. 蝟集していた魚類は、合計で40種類であった。
  2. 漁礁単体(表1)では、魚類はコンクリート製漁礁(組み立て)に比べ鋼製漁礁のほうが非常に多く蝟集していた。特に、この海域の重要種であるイサキについては、その傾向が顕著に現れた。
  3. イサキの大きな群れを観察したのは、鋼製漁礁(高さは12m:860m3)と小型のコンクリート製漁礁(一体打ち)の乱積み(高さは最高で4~5m:300~700m3)であった。
  4. 小型の一体打ちのコンクリート製漁礁(1.5m角型ブロック)でも乱積みによる配置の場合は、多様な空間の広がりが大きくなるため、蝟集効果が大きいと考えられる。
  5. 漁礁どうしは、あまり距離をあけず設置した方が魚類の蝟集が多い。
これらの結果から、当調査海域での蝟集効果を出すには、高さが12m程度のボリュームを持った鋼製漁礁と、小型の一体打ちのコンクリート製漁礁で乱積みにより、多様な空間の広がりを大きくすることが良いと考えられる。
成果の活用面・留意点 調査海域で重要種を効果的に蝟集させる漁礁を選定することで、漁礁の選定作業においても透明性を確保でき、今後、調査海域周辺での人工的な漁場造成計画の効果的な改善に資することができる。
図表1 229165-1.gif
図表2 229165-2.gif
カテゴリ コスト

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