タイトル |
環境ホルモンによるサクラマス雄の性行動の抑制 |
担当機関 |
(独)水産総合研究センター 養殖研究所 |
研究期間 |
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研究担当者 |
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発行年度 |
2002 |
成果の内容・特徴 |
- サケ科魚類の回遊・性行動は性ホルモンによって制御されている。したがって、内分泌かく乱物質(環境ホルモン)によってそれらの行動が影響を受けると考えられた。行動観察実験により回遊及び性行動へのかく乱物質投与効果を明らかにした。
- ノニルフェノールやビスフェノールAの投与は河川遡上行動には影響しなかったが、性行動の頻度を低下させた(図1)。
- 性行動に影響の現れない濃度でも、雌の性フェロモンに対する雄の行動反応を顕著に低下させた(図2)。
- これらのことから、内分泌かく乱化学物質は雄の性行動を抑制するだけでなく、雌雄の遭遇の機会をも減少させる可能性があることが示された。
[成果の活用面等]
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成果の活用面・留意点 |
内分泌かく乱化学物質の大量投与がサケ科魚類の回遊・産卵行動に及ぼす急性影響に関しての知見が得られた。今後は野外環境における汚染実態に即したより正確な評価を行うため、低濃度の長期曝露による慢性影響を解析する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
性フェロモン
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