マボヤの天然採苗 注) はいつ、どこで可能か?

タイトル マボヤの天然採苗 注) はいつ、どこで可能か?
担当機関 宮城県気仙沼水産試験場
研究期間
研究担当者
発行年度 2003
背景・ねらい マボヤは特有の風味を持つ海産物として多くの人々に賞味され,三陸沿岸では養殖が盛んである。養殖用種苗は天然採苗注)により生産されるが,その産卵~付着など再生産過程には不明な点が多いため宮城県牡鹿半島東岸に位置する鮫の浦湾(生産量全国一)において一連の野外調査を実施した。
マボヤの大量産卵は例年1月5日頃(範囲12月中旬~1月中旬)に起き,その時の平均水温は11.2±0.4℃であった。浮遊幼生の大量出現時期・量と冬季水温との間には一定の相関があり,水温以外の環境変化として小規模な植物プランクトンの同調的発生が多く認められた(図1)。養殖親ホヤの多い湾口北部域で産卵された卵は発生ふ化しながら幼生として湾内流で湾奥方向へと浮遊し,さらにその後湾口南部域から流出していくパターンが想定された。また,浮遊幼生及び付着稚仔は湾奥~湾口それぞれの地点の中層水深に最も多く出現した。なお,卵は受精後約2日でふ化し,幼生の浮遊期間は約1週間であった。
成果の活用面・留意点 ある年のマボヤ浮遊幼生の大量出現時期は11月水温との相関から予測可能となる(図2)。浮遊幼生の垂直的・水平的分布特性から採苗に適した場と水深が推定され,種苗生産の安定化すなわち養殖生産の向上が可能となる。
注)天然採苗;多くの海産無脊椎動物では産卵後に幼生が一定期間海中で浮遊発育し,その後基質上で付着変態し成体になる。マガキ,ホタテガイ等ではこの付着特性を利用して基質を海中垂下し幼生を採苗する。
図表1 229401-1.png
図表2 229401-2.png
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