タイトル |
地域水産物を活用した安全・安心な天然調味料 |
担当機関 |
富山県食品研究所 |
研究期間 |
2001~2003 |
研究担当者 |
高野隆司
舩津保浩
阿部宏喜
平 和香子
中村弘二
里見正隆
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発行年度 |
2003 |
背景・ねらい |
発酵のスターターに醤油麹を用いることで、味が濃厚、香りが日本人好みで、しかも安全で安心な天然調味料を提供する。
- 富山湾で漁獲されるシイラ、ニギス、トビウオの付加価値向上と風味の良い安全で安心な天然調味料(魚醤油)の製造を目的とした。
- 富山産魚醤油の塩分と全窒素分は、それぞれ約16~21%と約1.8%であり、ニョクマムの値に比べて低く、大豆醤油の値よりも高かった(表1)。
- 富山産魚醤油はニョクマムと同様に必須アミノ酸であるリジン、ロイシン、バリン、フェニルアラニンを豊富に含み、その量は大豆濃口醤油に比べ多かった(表2)。
- 富山産魚醤油のヒスタミン量は、いずれも大豆醤油やニョクマムの値よりも高かったが、食品衛生の面からアレルギー様の食中毒の疑いのあるレベル(1000ppm)よりも低かった(表1)。
- 富山産魚醤油は大豆濃口醤油と同様にニョクマムよりも揮発性有機酸(酸類)の種類が少なく、いやなにおいのする酪酸や吉草酸も検出されなかった(表3)。
- 富山産魚醤油の好感度(好ましさ)について大豆醤油との比較では、シイラ魚醤油とトビウオ魚醤油は、大豆醤油とほぼ同じレベルであったが、ニギス魚醤油は、大豆醤油よりも好まれた。また、ニョクマムとの比較では、いずれの富山産魚醤油でもニョクマムよりも好まれた(図1および2)。
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成果の活用面・留意点 |
本研究で得られた天然調味料の製法では、一般的に日本人に受け入れやすい風味の製品が製造可能である。しかし、製造時に増加するヒスタミン量については留意する必要がある。
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図表1 |
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カテゴリ |
大豆
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