背景・ねらい |
ねらい: 生態系の保全に配慮したイワナ資源の管理手法及び増殖技術を開発する。 成果の特徴:
- 稚魚はカバー(遮へい物)を有する岸際の、主として流速5cm以下の緩流域で認められることから(図1、図2)、このような場所は稚魚の成育場所として保全していく必要がある。
- イワナの産卵床は川幅が2~3mの小支川に多く見られることから(図3)、産卵遡上を妨げる河川工作物の設置は避けるべきである。
- 調査河川では、在来種であるイワナと放流由来であるヤマメが混生していた。両者は、餌料や生息場所を巡って競合関係にあると考えられることから、ヤマメは本来の生息域である堰堤より下流域を生息域とし、それより上流域はイワナの生息を優先する。
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- 調査した支川では0.08~0.11尾/m2の密度でイワナの成魚が生息しており(表1)、種苗放流によって資源を増大させるほどではない。しかしながら、禁漁区であるこの支川を解禁した場合、遊漁による影響はかなり大きいものと考えられる。ここではむしろ、生息環境や産卵環境の整備などにより自然繁殖の促進を図りながら、今後も禁漁区として管理していく方が有効である。
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