マイクロサテライトDNAマーカーによるニシキゴイ親魚の個体識別

タイトル マイクロサテライトDNAマーカーによるニシキゴイ親魚の個体識別
担当機関 新潟県内水面水産試験場
研究期間
研究担当者
発行年度 2003
背景・ねらい ねらい:
  • ニシキゴイは遺伝的多様性が低下しており、近親交配の進行とそれによる近交弱勢が懸念されている。
  • これまで親魚の組合せは経験や勘に頼ったものであったが、DNAマーカーで遺伝子型を把握し交配組を決定することで、遺伝的多様性の低下を防止できる。
  • 核DNA由来のマイクロサテライトDNAマーカーは、両親の遺伝情報を引き継ぎ、単純なメンデル遺伝をする。同様な性質のアイソザイムに比べ多型性に富んでおり、サンプルはアイソザイムのように魚体を凍結する必要がなく、鱗や鰭の一部でよい。このため、サンプリングと分析結果の解析・利用が簡便である。
成果の特徴:
  • DNAシーケンサーを用いてDNA分析を行うが、遺伝子型は数値として表示されるので、それぞれの親魚について、マーカーごとに遺伝子型(数値)の一覧表を作成する。この際に同じ数値で色分けを行い、遺伝子型について数値と色とで比較する。
  • DNA分析による遺伝子型、品種、性別により、新潟県内水面水産試験場保有親魚では、ほとんどすべてで個体識別が可能であった。
  • マゴイ、中国産コイおよびそれらとニシキゴイの交雑魚は、ニシキゴイにない遺伝子型を示しており、交雑魚の判別が可能である。
成果の活用面・留意点
  • あらかじめ親魚の遺伝子型(DNA)を調べ、異なる組合せで交配することにより、遺伝的多様性の低下(近親交配の進行)を防止できる。
  • 子魚は両親の遺伝子型を引き継ぐため、親子鑑定に応用することも可能である。ニシキゴイは系統(家系)を重視するため、「血統書」のような利用形態も考えられる。
  • マゴイや中国コイ等との交雑魚は、高成長・耐病性の反面、体型や色彩の品質は低い。体型・色彩の優良化のため、ニシキゴイへのもどし交雑を進めると耐病性は低下する傾向にある。このため、マゴイ・中国コイ特有の遺伝子型を指標に選抜を行うことで、高成長・耐病性と色彩との両者の優良化を図る。
図表1 229465-1.gif
図表2 229465-2.gif
カテゴリ DNAマーカー 品種

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