タイトル |
魚のすみか数量化調査 |
担当機関 |
群馬県水産試験場 |
研究期間 |
|
研究担当者 |
|
発行年度 |
2003 |
背景・ねらい |
- 河川の物理的環境(水深、流速、底質等)と魚類生息場所を調査することにより、両者の関係を数値化して得られる「魚類生息場適性基準」を作成し、今後の河川工事及び生態系保全に役立つ基礎資料を得ることとした。
- アメリカ合衆国においては既に実用化されつつある魚類生息環境評価システムである「IFIM(Instream Flow Incremental Methodology)」中の一つ調査解析手法である「PHABSIM(Physical Habitat Simulation System)」を使用し調査を実施した。
- 桐生川(中流域)および温川(渓流域)で調査を実施したところウグイ、ヤマメをはじめ魚類に関する数値化デ-タを得ることができた。
- ウグイ成魚は水深が1.0m以浅、流速は1.4m/s以下、底質は粘土を除いた区域で生息適または生息可能であり、稚魚は水深が0.8m以浅、流速は1.4m/s以下、底質は岩盤、巨石、粘土を除いた区域で生息適または生息可能である(桐生川)。
- ヨシノボリ成魚については、ウグイ成魚とほぼ同様の区域が生息域であったが、稚魚は水深0.4~0.6m、流速1.0m/s以下、底質が中石の区域に生息適または生息可能が限定されているという結果を得た(桐生川)。
- ヤマメ成魚は水深が1.5m以浅、流速は1.3m/s以下が生息適または生息可能、底質は巨石、中石、小石、レキ、砂レキで生息適という結果を得た(温川)。
- その他の魚種についても適性基準の作成は試みたが、発見尾数が少なかったことから、今後のデ-タの蓄積が必要となろう(桐生川、温川)。
|
成果の活用面・留意点 |
- ウグイ、ヤマメについて得られた「生息場適性基準」は今後の河川工事等の参考として提示できるものと考えられるが、さらに季節別に調査を行うなど精度の向上を図る必要があり、デ-タをそのまま転用するには注意が必要である。
- その他の魚種についても「生息場適性基準」の作成を試みたが、発見尾数が少なかったことから、今後さらに調査を積み重ね検討することが必要と考えられた。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
カテゴリ |
評価法
|