アカザエビ幼生の完全飼育と飼育条件

タイトル アカザエビ幼生の完全飼育と飼育条件
担当機関 静岡県栽培漁業センター
研究期間
研究担当者
発行年度 2003
背景・ねらい ねらい
アカザエビは、水深200~400mの砂泥底に生息しており、鋏脚(はさみ)が長く体長20cmほどの大型の赤い深海性のエビである。欧風料理、寿司等で賞味される高級食用種で水産資源として重要でありその資源増大が期待されている。しかし、その生態はわからないことが多く、飼育事例もほとんどない。資源安定・増大を将来的な目標とし、放流用種苗の生産の可能性を探るため、幼生の飼育条件について検討した。
成果の特徴
  1. エビ篭により漁獲された抱卵個体を入手し、水温約15℃で冷凍サクラエビを餌料として飼育し、ふ化幼生を得た。プレゾエア幼生でふ化し、摂餌することなくふ化後1日以内に9割以上の個体がメガロパ幼生に脱皮した。
  2. 2リットル容グラスボールを飼育容器とし、飼育水の交換は幼生をガラスピペットにより用意した飼育容器に移し替えることにより行った。その結果、メガロパ幼生はアルテミアやサクラエビ細片を摂餌し稚エビに脱皮成長した(完全飼育に成功)。
  3. 幼生の生残率は、飼育水温15~17℃で高かった(図1)。
  4. 幼生所要日数は、13℃で22日、15℃で17日、20℃で14日と、水温が上昇するとその日数は減少した(図2)。
  5. 共食い等の影響により高密度飼育ほど生残率が低く、飼育密度は1L当たり2個体以下が適当であった(図3)。
成果の活用面・留意点 飼育条件の一部が明らかになり、種苗生産の可能性が見いだされた。
図表1 229480-1.png
図表2 229480-2.png
図表3 229480-3.png
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