黒潮水域の漁況海況モニタリング手法の開発

• 担当機関: 独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所
• 発行年度: 2003

背景・ねらい

• 海洋構造に敏感に反応するブリ等回遊魚の来遊動向と海洋環境の関係を把握して回遊魚の来遊量を予測するため，リアルタイム海洋環境モニタリング・ポスト（衛星通信観測ブイ）及び従来型モニタリング・システム（海洋観測，定置水温等）による黒潮水域の広域漁況海況モニタリング・システムを構築し，観測データとブリ等回遊魚の来遊動向との関係を解析する。
• 黒潮沿岸域中央部の熊野灘海域の大型定置網にリアルタイム海洋環境モニタリング・ポストとして衛星通信観測ブイを設置し，リアルタイム水温データの収集解析を行う。
• 黒潮沿岸域の定置網等にメモリー水温計等を設置して従来型モニタリングシステムを強化する。
• 資源評価及び漁況海況予報事業等既存の漁業情報収集システムを活用してブリ等の沿岸定置網等への入網状況を把握する。
• 以上のモニタリング・システム及び情報収集システムにより収集解析した結果をネットワーク上に掲示して情報提供を行う黒潮水域の広域漁況海況モニタリングシステムを構築し，迅速な情報収集解析と情報提供を行う総合的なモニタリングシステムを構築する。

成果の活用面・留意点

• 漁況と直接リンクした海洋環境の把握とその変動予測が可能となり，海況の変動情報に基づく漁況の予測精度が向上する。
• 魚類の来遊動向による黒潮水域の海洋環境変動予測技術が確立する。
• リアルタイムの海洋環境情報及び予測結果を沿岸自治体や漁協等に提供することが可能となる。
• 魚類の回遊に果たす海洋条件の役割解明の基礎的知見を与える。

• カテゴリ: モニタリング