小型魚を選択的に逃がす小型底びき網漁具の開発

タイトル 小型魚を選択的に逃がす小型底びき網漁具の開発
担当機関 宮崎県水産試験場
研究期間
研究担当者
発行年度 2003
背景・ねらい 小型底びき網漁業の不合理漁獲を防止し資源管理を効率的に行うために,魚取りの一部の目合いを6節に広げ小型魚を逃がす漁具を開発し,試験操業により逃げる種・量・大きさ及び損失額を調べ,効果を検証した。
●種によって入網状況は異なるが,小型個体が選択的に逃げていた。
●逃げた個体は,低価格の小型個体か利用されない小型種が多かった。
●逃げた個体は小型であるため,単価は通常の水揚げ物の約1/2だった。
●損失額は利用形態や時期等で異なるが,通常に対して3~12%の減少となった。また,水深が深い方が損失は少なかった。
  • 調査地(延岡市土々呂,川南町川南)では,魚介類とゴミを分別するため2段式の魚取りを使用しており,上魚取りの天井部を1m四方で6節の網にしたものを試験用漁具とした。また,6節の網から逃げる個体を確認するため外側にカバー網を取り付けた。(図1)
  • 大型個体ほど上魚取りに,小型個体ほどカバー網に入網する割合が多かった。(図2)
  • カバー網に多く入網したネズッポ科,ネンブツダイ,ササウシノシタ,トゲカナガシラ等は,養殖用餌料としての利用はあったが,食用として出荷していなかった。また,ヒメジ等も小さいため,食用として出荷する量はわずかだった。 (図3)
  • 水揚げ物の単価は,低価格である養殖用餌料の出荷状況に影響を受けるが,カバー網内入網個体は小型であるため通常水揚げ物の約1/2だった。(図4)
  • 深い場所では,小型魚や小えび類が少ないためカバー網内入網物の量も減少し,高価格の大型えび類の入網が少ないことから低単価であり,カバー網内入網物の金額は少なくなった。(図5)
成果の活用面・留意点 船上での再放流に比べ,放流魚に負担が少なく労力も要しないため,効果的かつ効率的であり,利用しない入網物が減少するため,選別作業の軽減と水揚げ物の品質向上が期待できる。しかし,海域により保護すべき種の小型個体の出現時期や漁場が異なるため,本漁具の使用については海域毎で検討が必要である。
図表1 229492-1.png
図表2 229492-2.png
図表3 229492-3.png
図表4 229492-4.png
カテゴリ 出荷調整

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