海産カイアシ類Temora turbinataの飼育環境下における成長と産卵

タイトル 海産カイアシ類Temora turbinataの飼育環境下における成長と産卵
担当機関 大阪府立水産試験場
研究期間 2002~2004
研究担当者 山本圭吾(生物環境研究グループ)
発行年度 2004
背景・ねらい 大阪湾においてシラス(主にカタクチイワシの仔魚)パッチ網は近年、漁業生産額で1位を占める重要な漁業である。しかし近年、特に秋漁においてカタクチイワシの卵が大量に存在するにもかかわらず漁獲に結びつかない状況が続いている。その原因の一つとして秋季の餌料環境の変化が考えられるが、シラスの餌料として重要と考えられるカイアシ類の生態についての情報は少ない。2000年に餌料環境の調査を行った結果、大阪湾では秋季にカラヌス目の一種、Temora turbinataが増殖することが分かった。そこで同種の成長と産卵などの基礎生態を明らかにすることを目的とし、飼育を試みた。
成果の内容・特徴 飼育の結果、4世代までの成体を得ることができた。このことから同種における生活史が概ね明らかになった。卵は卵径0.076-0.084mmの球形卵で産卵後1-2日でふ化した。ノープリウス期は6期、コペポダイト期は6期あり、ほぼ1日に一回脱皮を行い、概ね2週間で成体となった(図1)。成体となった雌は成体になるのとほぼ同時に産卵を開始した(図1、2)。産卵は卵嚢をもたない自由放卵型であった。ふ化後の生残は変態期(ノープリウス→コペポディド期)および産卵開始期に大きく減少した。飼育の結果、最長約60日目まで生存したことからポテンシャルとしての寿命は60日程度と推定された(図3)。
成果の活用面・留意点
  • 同種の基礎生態を明らかにすることで、物理環境の変化(黒潮の離接岸、温暖化等気象の変化など)と餌料環境の変化についてより詳細に考察することが可能になる。
  • さらに、餌料環境の変化を予測し、漁況予報の精度向上につなげることが可能になる。
図表1 229554-1.png
図表2 229554-2.png
図表3 229554-3.png
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