タイトル |
瀬戸内海燧灘におけるヒラメ着底仔稚魚の餌料環境と摂餌生態 |
担当機関 |
香川県水産試験場 |
研究期間 |
2001~2004 |
研究担当者 |
山本昌幸 香川県水産試験場
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発行年度 |
2004 |
背景・ねらい |
瀬戸内海において400万尾以上の種苗が放流され、約1000tが毎年漁獲されている重要資源であるヒラメの着底場所の餌料環境および着底初期の摂餌生態を解明する。
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成果の内容・特徴 |
日本海や太平洋に比べて知見の乏しい瀬戸内海のヒラメの着底場所の餌料環境および着底初期の摂餌生態を1999~2001年に調べた。
- 瀬戸内海燧灘では、日本海や太平洋に比べてアミ類の密度が低い一方、エビジャコ(Crangon spp.)の密度は非常に高かった。(表1)
- エビジャコの密度は高いものの、ほとんどが小型のエビジャコ(体長18mm以下)であり、ヒラメ着底仔魚を捕食する可能性のある体長25mm以上のエビジャコの密度は非常に低かった。(図1)
- ヒラメ着底仔稚魚の胃内容物組成(重量%)をみると、着底直後はアミ類、ヨコエビ類の割合が高かったが、成長に伴いヨコエビ類の割合が減り、一方エビジャコの割合が増加した。そして、全長50mm以上になるとハゼ類、ネズッポ類などの魚類が出現した。(図2)
- 本海域においてエビジャコはヒラメの捕食者でなく、被食者として重要であった。
- ヒラメ稚魚は、エビジャコや潜砂性のアミ(Iiella oshimai)より、表在性のアミ(Nipponmysis ornata、Anisomysis ijimai)を好んで摂餌していた。(表2)
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成果の活用面・留意点 |
- 瀬戸内海のヒラメ稚魚にとってエビジャコは、アミ類に次ぐ重要な餌生物であることから、小型のエビジャコの密度がヒラメ稚魚の生残に大きく関与する。
- 砂浜域の生態系解明の基礎知見として活用される。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
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