ゲノム解析に利用可能な魚類精子凍結融解法

タイトル ゲノム解析に利用可能な魚類精子凍結融解法
担当機関 独立行政法人水産総合研究センター養殖研究所玉城分室
研究期間 2004~2005
研究担当者 岡崎登志夫(中央水産研究所)
岡本裕之(養殖研究所)
小林敬典
中山一郎
発行年度 2004
背景・ねらい 養殖魚の育種を効率的に行うには、遺伝情報を利用した新しい育種手法の開発が必要であるが、そのためにはまず対象種の遺伝情報の蓄積(ゲノム解析)が重要である。ゲノム解析の材料となる高分子DNAはこれまで生体サンプルから抽出されてきたが、生体サンプルを得る時期や保存の面で取り扱い上の制約が多かった。また、エタノール保存品あるいは乾燥品等のサンプルからは、ゲノム解析に必要な数百キロ塩基の長さの高品質なDNAは得られない。そのため生体サンプルの代用となりうる簡便かつ極めて高品質な遺伝資源の保存手法の確立が必要であると考えられる。
成果の内容・特徴
  • ヒラメの精液を遠心分離して得た精子ペレットを液体窒素で急速凍結した。その後、超低温冷凍庫で数ヶ月間保存した後、30度に温めた海産魚用リンゲルを使って急速解凍した(図1)。この融解した精子をアガロースゲルに包埋した後、プロテアーゼ処理により高分子DNAを抽出しパルスフィールド電気泳動により評価したところ、ゲノム解析することが可能な高品質なDNAであることが分かった。またフェノールクロロホルム処理によって簡便に抽出したDNAもコスミドライブラリーの作製に十分な大きさであることが分かった(図2)。
  • 凍結精子を材料にBACおよびコスミドライブラリーを作製したところ、十分な品質のゲノムライブラリーを作製することが出来た(図3)。
成果の活用面・留意点
  • 本法により、高分子DNAを安定かつ簡便に保存することが出来るようになり、いつでも任意の時期にゲノムライブラリーの作製を行うことが出来るようになった。
  • 希少種や優良個体の精子を本法により凍結保存することにより、ゲノム解析に利用可能な高品質の遺伝資源の保存が極めて簡便にできるようになった。
図表1 229561-1.gif
図表2 229561-2.gif
図表3 229561-3.gif
カテゴリ 育種 遺伝資源 乾燥

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