天然魚からのウイルス性神経壊死症原因ウイルスの検出

タイトル 天然魚からのウイルス性神経壊死症原因ウイルスの検出
担当機関 独立行政法人水産総合研究センター上浦栽培漁業センター
研究期間 2003~2004
研究担当者 森広一郎
菅谷琢磨(上浦栽培漁業センター)
西岡豊弘
藤浪祐一郎(宮古栽培漁業センター)
武部孝行(奄美栽培漁業センター)
発行年度 2004
背景・ねらい ウイルス性神経壊死症(viral nervous necrosis: VNN)は, 1990年にイシダイで初めて発生が報告されて以来,国内および海外の多くの魚種で報告され,世界的に大きな問題となっている(図1)。これまでに,シマアジでは親魚からの垂直感染が主感染経路であることを解明し,大幅な疾病発生率の低減に成功した。しかしながら,シマアジ以外の多くの魚種においては感染経路の解明に至っていないことから,感染経路の探査を目的とし,開発したnested PCRによる微量ウイルス検出法を用い,餌料,天然魚等のウイルス保有調査を行った。
成果の内容・特徴
  1. 冷凍餌料,天然魚(マアジ,カラクチイワシ,キジハタ等)のウイルス保有状況を調査した結果,冷凍餌料ではマアジ,天然魚ではマアジ,キジハタなどから原因ウイルスが検出された(表1,2)。
  2. 本調査で初めて養魚餌料となるマアジからウイルスが伝播する可能性が示唆された。
  3. 天然魚から検出されたウイルスの病原性および養魚分離株との異同については今後詳細な検討が必要である。
成果の活用面・留意点
  1. マアジやキジハタなどの天然魚から高率にウイルスが検出され,感染伝播を論ずる上で貴重な情報が得られた。
  2. 中でも多獲性魚種であるマアジから高率に原因ウイルスが検出されたことは,餌料あるいは沿岸海水からの感染さらには国内での流行を考える上で重要な成果と考えられる。
  3. 一方で天然魚から高率にウイルスが検出されたことから,魚類の資源変動に関する研究にも波及する成果と考えられる。
図表1 229571-1.gif
図表2 229571-2.gif
図表3 229571-3.gif
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