通電加熱によるサケ塩干品の食感改良試験

タイトル 通電加熱によるサケ塩干品の食感改良試験
担当機関 青森県ふるさと食品研究センター
研究期間
研究担当者 松原 久
田中淳也
成田清一
発行年度 2004
背景・ねらい 産卵のため沿岸回帰してきたブナザケを原料に、塩干品を製造すると身やせして、硬く透明な、プラスチックのような製品になり、食感も劣ることから、ブナザケを原料とした塩干品の品質向上が望まれている。
成果の内容・特徴
  1. 加熱処理の実施:加熱処理はその実施順によっては塩干品の硬さの低減に効果のあることが分かった。
  2. 加熱温度と物性変化:30~80℃の範囲で短時間の通電加熱を実施し、塩乾品を調製した。その結果、塩乾品の硬さは、加熱温度が高くなるにつれて、低温域で低下し、中温域から上昇に転じた。また、硬さが最も低下した温度帯で調製した塩干品は、筋節間に隙間ができ、枯れた感じになったが、加熱温度が高くなると、硬く締った干し餅のような外観になった。
  3. 加熱時間:塩乾品の硬さに低下がみられた温度帯で、効果的な加熱時間を調べた。その結果、塩干品の硬さは、短時間の加熱で未加熱の50%に低下した。
  4. タンパク質の挙動:加熱条件によって塩干品の硬さが大きく変化する理由を、タンパク質の挙動の面から調べた。ミオシンの重合や分解は、加熱によってみられた塩乾品の硬さの変化に、関与していないことが示唆された。塩溶性タンパク質の溶解性は、低温でほぼ消失し、水溶性タンパク質の溶解性は中温域まで多少残っていた。
これらのことから、塩溶性タンパク質の不溶化が塩干品の硬さ低下に、また一方で水溶性タンパク質の不溶化が塩干品の硬さ増大に関与していると推測でき、筋節間の剥離(コラーゲンの溶出)が塩干品の脆弱化に影響しているものと考えられた。
  1. 通電加熱:水槽型通電容器に導電液を入れ、サケ肉片を浸して通電したところ、肉片は加熱ムラがなく均一に加熱された。
  2. 製品製造:明らかになった条件を満たして試作した塩干品は、従来法(未加熱)に比べてボリュームが増し、筋節間が剥離するなどして、枯れた感じの外観を呈した(図)。その砕けやすさは、サクサクした好ましい食感となった。
成果の活用面・留意点
  1. ブナザケの塩干品が食べ易くなり、消費範囲が拡大し、ブナザケ原料の有効活用に役立つ。
  2. 食感に問題を持つ他魚種塩干品への応用が期待できる。
図表1 229597-1.png
図表2 229597-2.png
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