アユ冷水病マイクロカプセルワクチンの開発

タイトル アユ冷水病マイクロカプセルワクチンの開発
担当機関 神奈川県水産総合研究所
研究期間 2000~2004
研究担当者 原日出夫
発行年度 2004
背景・ねらい アユ冷水病は、投薬によりへい死数は減少するが、罹病魚は、体表の穴あき、あごの欠損および鰭の発赤等を呈し商品価値が著しく低下する。現段階では、アジュバント添加注射ワクチンにおいて高い発病予防効果が認められるが、小型魚への連続注射器の開発及びアジュバントの魚体内への残留問題など解決すべき課題が多い。このため、簡便で大量処理が可能な経口ワクチンの開発が急務とされている。そこで、胃液による消化作用を受けず、腸管で効果的に吸収されるマイクロカプセル封入経口ワクチンの開発を始め、高い効果を確認するに至った。
成果の内容・特徴 ワクチンを腸溶解性のマイクロカプセル(MC)に封入し、経口投与試験を行った結果、全ての検体で血中抗体価が上昇し、抗体の獲得が確認されたが、生菌液の浸漬攻撃試験結果による評価は、有効率が不安定であった。なお、ワクチン液を直接配合餌料に吸着させて経口投与した試験の結果は血中抗体価の上昇が見られなかった。ワクチン内包MCに水溶性アジュバント(セピック社製IMS-1312(IMS))を添加する事により有効率が安定的に上昇する傾向が認められ、IMSを50%~80%添加したワクチン内包MC を経口投与した後の攻撃試験の結果、45~80%の有効率が得られた。特にIMSを80%添加した試験区において、実用化の目安となる60%以上の有効率を得ることができた。
成果の活用面・留意点 簡便に、大量の稚魚期のアユにワクチン投与が行える経口ワクチンの開発はアユ冷水病の予防効果を高め、健全な養殖用、放流用種苗の確保につながる。他の疾病にも応用できる経口ワクチンによる発病予防は、治療薬使用の低減につながり、食の安全確保に大きく貢献することとなる。
図表1 229603-1.png
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