河川中流域における魚類の餌料生物(陸生昆虫)に対する河畔林の機能

タイトル 河川中流域における魚類の餌料生物(陸生昆虫)に対する河畔林の機能
担当機関 埼玉県農林総合研究センター水産研究所
研究期間 2000~2004
研究担当者 飯野哲也
発行年度 2004
背景・ねらい 河畔林は魚類の餌料となる昆虫や生息の場を提供し、魚類の生息環境の安定化に寄与するなど、重要な機能を果たしていると言われている。しかし、河川改修等では治水や景観が優先され、特に河川中流域では河畔林が減少し、生息魚類への影響が懸念されている。河川上流域では、河畔林の機能に関する知見が集まってきたが、中流域では知見がないため、魚類の餌料となる陸生昆虫との関係について検討した。
成果の内容・特徴 河畔林が多いほど陸生昆虫の河川への落下量は多くなり、同様に陸生昆虫の河川流下量が多くなることから、河畔林は陸生昆虫を河川へ供給する機能を有していることが示唆された。
陸生昆虫を捕食している魚の割合は、上流域の魚と比べると中流域では低く、通常は底生動物が捕食の主体であった。しかし底生動物量が少なくなると、河川を流下する昆虫に占める陸生昆虫の割合が増加した。同様に陸生昆虫捕食魚の割合も増加し、特に底生動物量が1,000個体/m2以下で顕著であった。このことから、増水等により底生動物の生息量が減少した時の魚の餌料供給源として、河畔林が重要な機能を果たしていることが明らかになった。
成果の活用面・留意点 河川改修関係機関に対して、河畔林保全の情報提示資料として活用する。
農業用用排水路の改修に際しても同様に関係機関へ提示用資料として活用する。
流域住民に対する啓発資料として活用する。
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図表2 229612-2.png
図表3 229612-3.png
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