群馬の最高級ニジマス「ギンヒカリ」

タイトル 群馬の最高級ニジマス「ギンヒカリ」
担当機関 群馬県水産試験場
研究期間 2001~2005
研究担当者 小林保博 群馬県水産試験場川場養魚センター
茂木 実
発行年度 2004
背景・ねらい 川場養魚センターで種卵・種苗供給事業用に継代飼育しているニジマスは1961年に栃木県等から導入した「早期産卵系」と呼ばれている家系である。このニジマスの中に、以前から通常の群が成熟する2歳になっても成熟しない極少数の別家系群が存在することが経験的に知られており、職員や養鱒業者はこの家系を「ギン」と呼んで区別していた。この家系は体色が普通のニジマスより銀色味を帯びていて美しく(写真1)、肉色は赤味が強く、3歳で成熟するまでは肉質の低下が無い。川場養魚センターではこれらの利点を生かして、刺身等の生食用素材としてこの家系を遺伝的に固定する目的で1987年から選抜育種を開始した。
成果の内容・特徴
  1. 選抜育種の結果、雌については比較的短期間で成果が得られ、現在では雌はほぼ100%、雄でも75%が3年成熟系として遺伝的に固定できた。また、3年成熟率を高める条件として、水温や2歳までの成長に関する飼育技術についても把握できた(図1)。
  2. ギンヒカリとニジマスについて養殖技術上の違いを把握するため、採卵成績や卵から稚魚までの飼育成績及び給餌方法等の検討を行い、飼育指針を作成している。また、肉質の特徴を把握するため栄養成分の分析を行うと共に(表1)、刺身による官能検査を実施した結果、ギンヒカリは普通のニジマスや全雌三倍体ニジマスより総合的に“おいしい”という評価を得た(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 遺伝的固定化が図られたことにより、群馬県は2000年に「群馬のマス」ブランド化推進事業を実施し、このニジマスを「ギンヒカリ」と命名し、特許庁に商標登録を行ったほか、和・洋・中華の創作料理集を刊行した。
  2. 川場養魚センターでは2001年から発眼卵、稚魚、成魚を出荷している。出荷されたギンヒカリは群馬県養鱒漁協ギンヒカリ部会員を中心とする養魚場で飼育され、2003年には温泉旅館、割烹料理店等に約2.5トンが供給された。出荷先での評価は良好で、新しい料理提供素材として秀逸との評判を得ており、供給量は年々増加している。
図表1 229617-1.png
図表2 229617-2.png
図表3 229617-3.png
図表4 229617-4.png
カテゴリ 育種 飼育技術 出荷調整

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