タイトル |
ゼラチナスプランクトン研究へのVPRの適用 |
担当機関 |
独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所 |
研究期間 |
1992~2006 |
研究担当者 |
市川忠史(中央水産研究所海洋生産部低次生産研究室)
|
発行年度 |
2004 |
背景・ねらい |
中深層生態系の構造や表層生態系との物質輸送に関わる生物の役割について十分な知見が得られていない.中深層生態系の主要構成生物で仔稚魚の捕食者あるいは餌料の競合者として水産資源に影響を及ぼすオタマボヤ,クラゲ類等のゼラチナスプランクトンは脆弱なため,ネット採集・採水等による従来手法では現存量が正確に把握できない.曳航式VPR(Visual Plankton Recorder)を利用することにより,この問題を解決できるものと考えられた.
|
成果の内容・特徴 |
- ゼラチナスプランクトン現存量を自動計測するため,中層から表層におけるVPR曳航法を確立した.
- VPRを用いたクラゲ類画像取得に最適なパラメータを決定し,解析に不可欠な鮮明な画像が得られた(図1,図2).
- 従来の手法であるプランクトンネットの採集結果に較べ,VPRではクラゲ類の個体数密度が数十倍多い場合があることが示された(図3).
- 画像解析ソフトウエアとVPR解析ソフトウエアによる画像の自動分類および自動計測の可能性が示された.
- VPRを用いることで,従来法よりも精度が高いクラゲ類の中深層における分布構造の把握と現存量の自動計測の可能性が示された.
|
成果の活用面・留意点 |
- 適切な換算式を用いることにより,計測された体積からプランクトンの乾燥重量,炭素量,あるいは生産力を見積もることが可能となる.
- 本成果を応用して適当な画像取得のパラメータを決定することにより,卓上型VPRを用いて現場または研究室内でネット試料中の餌料プランクトンの自動計測が可能となる.
|
図表1 |
|
図表2 |
|
図表3 |
|
カテゴリ |
乾燥
自動計測
なす
輸送
|