山口県日本海沖に産するマフグの移動・回遊

タイトル 山口県日本海沖に産するマフグの移動・回遊
担当機関 山口県水産研究センター
研究期間 1998~2002
研究担当者 小林知吉
川村邦彦(海洋資源グループ)
天野千絵
発行年度 2004
背景・ねらい 近年、本県のふぐ延縄漁業者は最大の収入源であるトラフグの漁獲量が減少する中、本県沖合を中心とした海域でマフグを漁獲し、収入を補っている。本研究により移動・回遊を解明し、漁業者に情報提供すると同時に、今後の資源管理方策を立てる。
成果の内容・特徴 1998~2003年の5ヶ年に、山口県日本海沖で漁獲したマフグ2,173尾を、山口県日本海側の15ヶ所で標識放流したところ、157尾が再捕された(再捕率7%)。再捕場所の内訳は大部分が日本海南西部(89.8%、対馬海峡~隠岐島周辺海域)で、次いで日本海北東部(2.5%、佐渡島、青森県および北海道沿岸域)および太平洋(0.6%、岩手県沿岸域)であった(図1)。
日本海南西部の中でも山口県沖の大陸棚上、特に千里ヶ瀬付近(水深80~130m)での再捕が最多で、産卵期の2・3月(小林・天野、未発表)を中心として、ほぼ周年再捕があった。また、放流1~2年後の産卵期に同海域で再捕された例もあった。今回放流魚が再捕された隠岐島、佐渡島および北海道島牧郡歌島の各地先およびその周辺では、過去に産卵親魚群が確認されている(藤田、1991)。
これらの結果から、マフグの移動・回遊は以下のとおり整理される。
  1. 日本海側における主要生息場所は山口県沖合の水深80~130mの大陸棚上である。
  2. 当大陸棚上では産卵群(小林・天野、未発表)と周年滞留群が存在する。
  3. 当大陸棚上の産卵群は、産卵回帰している可能性がある。
  4. 隠岐島以東の長距離移動は産卵回遊である可能性が示唆された。
  5. 本種の一部は対馬海峡から北海道沿岸までの日本海を大きく移動する。
成果の活用面・留意点 今後、漁場管理・産卵場管理を中心とした資源管理の基礎資料として活用できる。
図表1 229667-1.gif
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