DNA解析で明らかになったマガキ産地間の遺伝的な違い

タイトル DNA解析で明らかになったマガキ産地間の遺伝的な違い
担当機関 独立行政法人水産総合研究センター東北区水産研究所
研究期間 2002~2004
研究担当者 東北区水産研究所 海区水産業研究部 資源培養研究室
発行年度 2005
背景・ねらい 近年、様々な水産生物で産地偽装が顕在化している。東北地域では、特にマガキの産地偽装が大きな社会的問題となっており、科学的根拠に基づく産地識別法の開発が求められている。本研究では,マガキのDNAマーカーを開発し、これらを使って、日本産マガキの地域集団間および日本産と韓国産マガキ集団間の遺伝的な違いを調べ、DNA解析のマガキ産地識別への利用可能性を検討した。
成果の内容・特徴 マガキについて200個程度のDNA領域を調べ、これらがDNAマーカーとして集団解析に利用可能であるかを検討した。開発したマーカーのうち7個を使い、日本各地から採集したマガキ9地域集団(宮城、三重、和歌山紀伊半島東側、和歌山紀伊半島西側、高知、広島、山口、宮崎、長崎五島列島)間の遺伝的異質性を調べたところ、集団全体が遺伝的に均質とは言えないという結果であった。さらに韓国産の天然および養殖マガキの分析を行ったところ、一つのマーカーで、日本産マガキではほとんど見られない対立遺伝子が、韓国産では高頻度に存在することが分かった(図1のA遺伝子)。7個のDNAマーカーの遺伝子頻度に基づいて集団間の遺伝的距離を求め、それらの類縁関係を調べた(図2)。この樹形図から、宮城産と西日本地域産集団は別のグループに分けられ、韓国産集団は、これらの日本産集団と遺伝的に遠い関係にあることが分かった。これらの結果から、集団レベルではマガキの産地間に遺伝的な違いがあり、より多くのDNAマーカーを開発・使用することにより、産地識別への応用が可能であると考えられる。
成果の活用面・留意点 マガキの産地識別、地域に即したマガキ遺伝資源の保全
図表1 229703-1.gif
図表2 229703-2.gif
カテゴリ 遺伝資源 DNAマーカー

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