| タイトル | 二枚貝に残留する多環芳香族化合物を指標とした油汚染のモニタリング |
|---|---|
| 担当機関 | 独立行政法人水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所 |
| 研究期間 | 2003~2005 |
| 研究担当者 |
隠塚俊満 河野久美子 角埜 彰 市橋秀樹 持田和彦 田中博之 藤井一則(瀬戸内海区水産研究所 化学環境部) |
| 発行年度 | 2005 |
| 背景・ねらい | 油による海洋汚染は年間300件前後確認されており、海洋生態系への影響が懸念されている。流出事故の影響を評価するための基礎として、わが国沿岸に生息する二枚貝に残留する多環芳香族化合物濃度のデータ蓄積を進めている。多環芳香族化合物はそれぞれの地域における定常的な石油消費に由来する汚染の状況を反映していると考えられ、その濃度を日本地図にプロットし油汚染のバックグランド地図を作成している。 |
| 成果の内容・特徴 | 京都府から山口県に至る日本海沿岸10地点で採集した二枚貝に残留する2-6環の18種多環芳香族化合物(図1)を測定した。油流出事故直後に試料採集を行った点を除く8地点において、測定した全ての多環芳香族化合物を合計した濃度の平均±標準偏差(範囲)は13±9(3.5-32)ng/gであった。一方、事故直後に採集した試料は油漂着地点で79ng/g、沖合い十数kmを油が漂流した地点で37ng/gと前述の平均値の約3-6倍であった.事故から2年後に同一地点で採集した試料では、それぞれ8.7ng/g、21ng/gと濃度は低減していた(図2)。事故直後に採集した試料を除いて計算すると14±8ng/gとなり、この値が京都府から山口県に至る日本海沿岸におけるバックグランドと考えられる。 測定した18種の多環芳香族化合物の内、バックグランド試料ではメチルフェナントレン(C1-PHE)の濃度が最も高く、次いでフルオランテン(FLUT),ピレン(PYN)、ナフタレン(NAP)で、これら4化合物で全体の約50%を占めた。一方、事故直後の試料では油漂着地点、沖合いを油が漂流した地点何れにおいてもメチルフェナントレン、フェナントレン(PHE)の濃度が特異的に高く、両化合物で全体の約60%を占めた(図3)。 |
| 成果の活用面・留意点 | 二枚貝に残留する多環芳香族化合物を指標に油汚染を監視する手法の有効性を明らかにできた。 特に、流出油の漂着がない地点においても影響を検出することが可能と考えられた。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| カテゴリ | モニタリング |
| 瀬戸内海における藻場の海草・海藻類の現存量と生産量 |
| 血清型Oの口蹄疫ウイルスに対する高感度抗原検出法の開発 |
| 核酸比によるカタクチイワシ仔魚の摂餌開始期における栄養状態の判定手法 |