えび建網の漁具改良による混獲防止効果

タイトル えび建網の漁具改良による混獲防止効果
担当機関 福岡県水産海洋技術センター
研究期間 2003~2004
研究担当者 長本 篤
発行年度 2005
背景・ねらい 豊前海のえび建網漁業は、主に5~10月にかけてクルマエビを対象に干潟域で操業されている。その際に、しばしば商品価値のない小型ガザミ等が混獲され、建網の損耗や作業時間の増大等の要因となり、操業に影響を及ぼしている。また、ガザミは栽培漁業対象種として種苗放流事業も定着しており、資源管理計画においても再放流の取り組みを行うなど、漁業者も重要視している。本研究は、ガザミ資源の有効利用とえび建網の効率的操業を図るため改良網の混獲防止効果及び操業時間の短縮効果について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 改良網の構造
    クルマエビは通常網の全体で漁獲されていたが、ガザミ等のカニ類は通常網の下部で集中して漁獲されていたことから(図1)、改良網は通常網の下部に10cmの間隔を開けた簡易な構造にした(図2)。
  2. 改良網による漁獲状況調査
    漁業者の操業実態に合わせた調査を行った結果、改良網の漁獲尾数は通常網の漁獲尾数と比較すると(図3)、クルマエビの漁獲尾数はほとんど変わらなかったが、ガザミの漁獲尾数は減少し有意な差が認められた。このことから、小型ガザミが多く出現する夏季に改良網を使用することにより、ガザミ資源の有効利用を図ることが可能であることが示唆された。
  3. 作業時間短縮効果調査
    漁獲物取り外しに要する時間は、通常網1反あたりの時間は14分であったが、改良網では取り外しに困難なガザミ等のカニ類が少ないことから通常網の半分の7分であった(表1)。えび建網漁業者は1回の操業で通常30反使用し、2人で漁獲物の取り外し作業を行うため、改良網を使用することにより1日あたり約2時間の短縮が図られることがわかった。
成果の活用面・留意点 改良網は、漁業者自らが通常網を容易に改良して作成することができるため、すでに一部の漁業者に導入され高い評価を得ている。
今後は豊前海全域において改良網の普及を図り、えび建網の効率的な操業とガザミ資源の有効利用を推進する。
図表1 229716-1.gif
図表2 229716-2.gif
図表3 229716-3.gif
図表4 229716-4.gif
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