マリンサイレージによる低未利用海藻資源の有効利用法の開発

タイトル マリンサイレージによる低未利用海藻資源の有効利用法の開発
担当機関 独立行政法人水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所
研究期間 2001~2005
研究担当者 内田基晴
浜口昌巳
発行年度 2005
背景・ねらい カキやアコヤガイ等の二枚貝類は、天然の微細藻類を餌料として養殖が行われている。そのため、年によっては餌不足となり、貝の身痩せや大量斃死が起こる。また魚の種苗生産の現場では、稚魚の餌であるワムシの餌料とするため、微細藻類の培養に多大な労力とコストをかけている。これらの問題は、微細藻類の培養には手間がかかり、大量安定供給が困難であることに起因している。
我々は、先に海藻ワカメを単細胞化しながら乳酸発酵させる技術を開発した(図1)。この技術により直径が約10μmの微小なワカメ粒子(MS)を安定的に調製できるため、微細藻類の代替餌料として利用する可能性を考えた。そこで、まずワカメを原料としてMSを大量調製することを検討した。次に実際に、MSが餌としての価値をどれくらい有しているか調べるため、アコヤガイ稚貝を対象に飼育試験を実施した。
成果の内容・特徴
  • ワカメを原料として、微細藻類を培養する場合に比べ、数十倍も高い濃度で、MSを大量調製することに成功した。
  • MSは乳酸発酵処理されていて、低pHであるため、常温(20℃)で18ヶ月間保存しても雑菌の生育等の問題がなく、大量安定供給可能な飼料素材であることが示された。
  • 飼育試験の結果を基に、稚貝の殻の成長率で比較した場合、MSは、良い餌料の代表とみなされる微細藻類(キートセロス)の18.5%に相当する飼料効果を示した(表1)。さらに少量の微細藻類を併用して給餌することでMSの飼料効果がキートセロス給餌の75.8%相当まで大きく改善されることがわかった。
成果の活用面・留意点
  • 種苗生産の現場で微細藻類餌料の使用量を少なくする目的でのMSの使用が期待される。
  • 天然浅海域においてMSを粗放的に調製し、放出することで懸濁物フィーダーのエサとして機能させ、最終的に生物資源の生産力増大を図る、いわば里海(さとうみ)的漁業の創出に発展する可能性がある。
図表1 229724-1.jpg
図表2 229724-2.gif
カテゴリ コスト

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