水産系副産物(貝殻)の水産基盤施設の地盤材料への活用

タイトル 水産系副産物(貝殻)の水産基盤施設の地盤材料への活用
担当機関 独立行政法人水産総合研究センター水産工学研究所
研究期間 2003~2003
研究担当者 佐伯公康
坪田幸雄
発行年度 2005
背景・ねらい 水産系副産物であるホタテガイの廃貝殻は、北海道、青森県を中心に推計で毎年約26万トンが発生している。一部は、土壌改良材、家畜用飼料、カキ採苗原板などの有効利用や焼却処理などが行われているが、まだ多くが漁港周辺に野積みにされている。廃貝殻の有効利用に際しては、付着している有機物の除去や破砕等の前処理にコストがかかる。そのため、大量かつ恒常的に有効利用するには、利用目的の効果が十分に発揮され、他の代替品と同等の効果があることなどを確認する必要がある。本調査では、ホタテ貝殻を対象に、室内試験により貝殻と砂の混合材の物理的・強度的特性などの地盤材料としての緒元を把握し、貝殻を水産基盤整備事業で整備する構造物の地盤材料(裏込め材、埋戻し土等)として大量に活用する技術を開発する。
成果の内容・特徴 2種類のホタテ貝殻と3種類の砂を対象に、貝殻の最大粒径を5~10mm程度に破砕した貝殻を混合した砂について、内部摩擦角および貝殻の破砕状況を中心に検討した結果、次のことがわかった。
  1. 単位容積質量は、砂と貝殻の各々の粒度分布に依存するものの、混合率が25%程度以下の場合には、貝殻最大粒径にはあまり影響されない。
  2. 締固め、圧密、圧縮により、貝殻は破砕するが、混合率25%程度以下の場合には、破砕の程度は軽微である。
  3. 混合率25%程度以下の場合には、圧密圧力が増加しても貝殻の破砕が起こりにくく、内部摩擦角も砂と同程度以上である。
  4. つまり、貝殻の最大粒径5~10mm、混合率25%程度以下の場合には、混合した貝殻に若干の破砕が生じるものの、砂と同等以上の内部摩擦角が期待でき、ホタテ貝殻を混合した砂を裏込材へ適用できるものと考えられる。
成果の活用面・留意点 砂と貝殻の混じり方が、単位体積質量、内部摩擦角などに影響することも明らかになった。そのため、実際の施工に際しては、ホタテ貝殻と砂の混合方法について工夫する必要がある。
図表1 229750-1.gif
図表2 229750-2.gif
図表3 229750-3.gif
図表4 229750-4.gif
カテゴリ コスト 土壌改良

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