近赤外分光法による魚介類の凍結履歴の判別

タイトル 近赤外分光法による魚介類の凍結履歴の判別
担当機関 独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所
研究期間 2003~2004
研究担当者 Musleh Uddin
岡崎恵美子
高嶋康晴
山下由美子
大村裕治
発行年度 2005
背景・ねらい 平成11年のJAS法改正にともない定められた「生鮮食品品質表示基準」および「水産物品質表示基準」により,凍結解凍した生鮮水産物は平成12年7月から「解凍」の表示が義務づけられた。表示の適正化を図り、消費者・流通業者・生産者の利益を保護するために、解凍魚であるかどうかを現場で正確かつ簡便に判別できる実用的な手法の確立が急務となっている。そこで、魚肉の凍結履歴の判別法として近赤外分析の可能性を検討した。これまでに、魚肉エキス・ドリップを吸着させた濾紙の近赤外分析による判別法について報告したが、今回は魚体を直接測定する方法について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 活マダイ、活マアジを即殺後氷蔵したものと-40℃で10日間凍結保存したものを用い、NIRS6500により近赤外分析を行った。得られた反射スペクトル(700-1100nm)をVision SoftwareとThe Unscrambler Softwareにより解析した。
  2. マダイ、マアジのいずれも、凍結魚では氷蔵魚よりもスペクトル吸収が低下する傾向がみられた。得られた一次スペクトルを用いてPCA(主成分分析)評点に基づくSIMCA解析法およびLDA(線型判別分析)により判別分析を行ったところ、凍結履歴の有無が明瞭に判別できた。一方、生スペクトルをMSC(乗算的散乱補正)処理したものではむしろ判別精度が低減されたことから、凍結履歴の有無による近赤外スペクトルの差異は、化学的要因よりも物理的要因の影響が大きいものと推察した。
  3. 以上のように、魚体を直接測定する方法によって、凍結履歴の有無を判別できる可能性が示された。
成果の活用面・留意点 わが国の重要魚種のうち、凍結解凍魚と非凍結魚の双方が流通し、「解凍」表示の検証がとくに必要なマグロ、サンマについての検討を行うとともに、魚種特性による差を明らかにする必要である。また流通現場における判別を精度良く行うためのマニュアル化が必要である。
図表1 229764-1.jpg
図表2 229764-2.gif
図表3 229764-3.gif
図表4 229764-4.gif
カテゴリ 近赤外分析

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