タイトル |
黒潮水域の漁況海況モニタリングの新たな取り組み |
担当機関 |
独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所高知庁舎 |
研究期間 |
|
研究担当者 |
|
発行年度 |
2005 |
背景・ねらい |
沿岸域の漁況・海況予測を行うには海洋環境の把握とその変動予測が必要である。従来型のモニタリング手法では継続作業に大きな費用がかかり、システムの高度化の障壁となっている。黒潮水域では黒潮の流路変動により沿岸域の海洋環境が短期的に大きく変動することから機能的なモニタリングシステムが必要である。魚類資源の来遊動向と海洋環境との関係を直接把握して来遊量予測に結びつけるための新たな手法開発が求められている。
|
成果の内容・特徴 |
三重県片田定置漁場で水温計測ブイによるリアルタイム・モニタリングを継続している。このデータをリアルタイムに情報公開するWebシステムを構築し、運用している(図1)。本システムは、携帯電話を通じて利用でき、漁業者に活用されている。また,都県の協力を得て、黒潮沿岸域の10定置網漁場(図2)でメモリ水温計による従来型モニタリングを継続している。ブリ大量入網の直前に、定置網に取り付けた水温水深計データに大きな変化が観測されており、ブリは水塊とともに接岸することが示された(図3)。また,宮崎県南郷町のマアジ稚魚の漁獲量はマアジ太平洋系群の資源評価に有用な情報であることがわかった。このため,水産庁、宮崎県と連携し、同町に水温計測ブイを設置することになった。
|
成果の活用面・留意点 |
- 平成16年7月後半、黒潮が13年ぶりに大蛇行した。中央ブロック(特に、潮岬以東)ではカツオやシラスが大不漁となり(図4)、社会的に大きな問題となった。中央水研にもマスコミ等から問い合わせが殺到したが、本プロ研の漁海況情報ネットワークを通じて情報収集し、回答した。
- 今後、本プロ研の成果を資源評価調査に活用する。
|
図表1 |
|
図表2 |
|
図表3 |
|
図表4 |
|
カテゴリ |
モニタリング
|