小型藻類藻場の生産性の把握と藻場造成技術開発(小型直立海藻群落の生産性の評価)

タイトル 小型藻類藻場の生産性の把握と藻場造成技術開発(小型直立海藻群落の生産性の評価)
担当機関 宮崎県水産試験場
研究期間 2002~2004
研究担当者 荒武久道
発行年度 2005
背景・ねらい 藻場が昔から存在しない海域や、衰退してしまった海域にも見られる小型直立海藻群落も、イセエビ幼稚仔の生息適地となる等、水産上重要な機能を保有していると考えられている。この小型直立海藻群落の保全の意義を説明し、そこに生息する水産動物の増殖を図るためには、生産性を正しく評価する必要がある。天然海域における小型直立海藻群落内の餌料生物量を求め、イセエビ稚エビに必要な餌料量とあわせて生産性を評価する。
成果の内容・特徴
  1. 小型直立海藻群落に生息する餌料生物量
    • 代表的な小型直立海藻であるイバラノリ類、カニノテ類、平面的な海藻であるエツキイワノカワ、固着動物であるウミアザミ類がそれぞれ優先する場所と、小型海藻も固着動物も無い場所で30×30cmの方形枠の坪刈り調査を3回行った。
    • イバラノリ区、カニノテ区では常に餌料生物は豊富であったが、エツキイワノカワ区や、小型海藻も固着動物も無い場所(無し区)、ウミアザミ区ではこれらと比較して少ない傾向にあった(図1)。小型直立海藻は、立体的な構造をしているので、餌料生物の豊富な生息を可能にしている(生産している)と考えられる。
  2. イセエビをモデルとした生産性の評価
    • イセエビ稚エビ1個体が必要とする餌料生物量が約0.41g湿重量/日(飼育試験結果)であることと、1の結果をあわせて、イセエビ稚エビをモデルとした生産性の評価を行った(図2)。
    • イバラノリ群落の餌料生物量は1m2当たり48.7g湿重量であり、これは稚エビ1個体の約118日分の餌料が現存していることになる。同様にカニノテ群落では約103日分であったのに対し、エツキイワノカワ群落では46日分、小型海藻も固着動物も無い場所では22日分、ウミアザミ群落では41日分となり、小型直立海藻群落の生産性の高さが明らかとなった。
成果の活用面・留意点 明らかにされた小型直立海藻群落の生産性の高さは、これらの保護・育成の指針となり、イセエビ等の増殖の際の基礎資料として活用できる。
図表1 229796-1.gif
カテゴリ ばら

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