八代海におけるカタクチシラス資源サイクルについて

タイトル 八代海におけるカタクチシラス資源サイクルについて
担当機関 熊本県水産研究センター
研究期間 2002~2005
研究担当者 大塚徹
糸山力生
村上清典
発行年度 2005
背景・ねらい シラスは、生態系構造において低次捕食者であり他の幼稚魚の餌料として重要であると共に、漁場基礎生産力評価の指標種として重要な生態的地位を持っている。
八代海におけるシラスを対象とした機船船びき網漁業の漁獲量は、平成7年に200t以下、平成11、12年には2,500t以上と好不漁が激しい。(図1)
そこで、八代海におけるカタクチシラス資源の生態を明らかにし、ひいては、八代海のカタクチシラス資源の安定した利用と海域全体の漁業生産力保持に寄与することを目的として調査を実施した。
成果の内容・特徴
  • 平成16年の八代海のカタクチシラス春漁の漁獲物を調査した結果、カタクチシラスの体長組成には2つのモードが確認できた。(図2)1つのモードは、天草西海における卵仔稚魚調査の結果、4月上旬に採取された卵仔稚魚が八代海で漁獲されたカタクチシラスの体長から同一の物と推測されることから、天草西海からの資源加入であることが示唆された。(図3)もう1つのモードについては、八代海内のカタクチイワシ成魚の成熟度から推定し、同海内の産卵親魚群によるものであることが予測された。以上のことから春漁の資源添加には2つの産卵親魚が寄与していることが示唆された。
  • 平成16年10月に実施した天草西海の卵仔稚魚調査の結果、カタクチイワシ卵仔稚魚は採取できず秋漁については八代海外からの資源添加は示唆されなかった。また、平成16年の秋漁の開始時期から、秋の産卵は9月中旬と予測され、八代海のカタクチイワシ成魚の成熟度から、秋漁の終了時期が予測できた。
成果の活用面・留意点 天草西海、有明海からの資源添加後の八代海を中心としたカタクチシラスの生態と、それに伴う漁獲によるカタクチシラス利用実態が明らかになり、資源の持続的利用と漁家経営の安定化を図るため、資源管理型漁業の推進に寄与できる。(図4)
図表1 229815-1.gif
図表2 229815-2.gif
図表3 229815-3.gif
図表4 229815-4.gif
カテゴリ 経営管理

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