タイトル | 脱Cdイカゴロミールの稚魚用飼料としての有効性 |
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担当機関 | 北海道立栽培水産試験場魚類部魚類第二科 |
研究期間 | 2002~2004 |
研究担当者 |
栽培漁業総合センター 魚類部 佐藤敦一(共同研究機関 |
発行年度 | 2006 |
背景・ねらい | イカ内臓(イカゴロ)は、北海道においては大量に排出されているが、重金属のカドミウム(Cd)が含まれているため、管理型の産業廃棄物としての処分が求められ、イカゴロの無害化処理と有効利用法について技術開発が必要となっている。脱Cd処理したイカゴロミールを原料に作成した配合飼料を使用し、海産魚類に対する飼料としての有効性を検証した。 |
成果の内容・特徴 | 魚粉に対する脱Cdイカゴロミールの置換割合を10%~50%変えた配合飼料を作成し、脱Cd未処理の市販イカゴロミールで魚粉を30%置換した配合飼料(SLP30%置換飼料)や市販配合飼料と比較する給餌試験をクロソイ稚魚を用いて行った。そしてクロソイ稚魚の成長、飼料転換効率、消化率、血液性状、Cd含量を調べた。 1) 脱Cdイカゴロミールは50%まで魚粉を置換しても市販飼料区やSLP30%置換飼料区と比較して,終了時の全長および体重、飼料転換効率、消化率、Ht値に差が認められなかった。 2) 給餌試験終了時のクロソイ肝臓中のCd濃度は、SLP30%置換飼料区が0.2ppmと最も高かったが、脱Cdイカゴロミール置換区ではいずれも0.1ppm以下で、市販飼料区と同レベルであった。このことから、SLP30%置換飼料よりも脱Cdイカゴロミール置換飼料の方が、クロソイ稚魚を育成する上で、安全性が高いと考えられた。 3) 飼育成績や肝臓中のCd蓄積量を比較すると、50%までは脱Cdイカゴロミールで魚粉を置換できることが明らかになった。 |
成果の活用面・留意点 | 脱Cdイカゴロミールは、市販品と同等の消化性を有し、魚粉と同等に安全な飼料原料であり、魚粉置換可能率50%は、これまでの研究の最高値であった。 |
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