仙台湾における麻痺性貝毒毒化時期を予測できるか?

タイトル 仙台湾における麻痺性貝毒毒化時期を予測できるか?
担当機関 宮城県水産研究開発センター
研究期間 2005~2006
研究担当者 山内洋幸
発行年度 2006
背景・ねらい
近年、仙台湾では麻痺性貝毒原因種である有毒渦鞭毛藻Alexandrium tamarenseによる二枚貝の毒化現象が発生し、マガキ養殖を中心に被害を受けている。麻痺性貝毒による過去の出荷自主規制状況から、二枚貝の毒化現象には年変動があり何らかの環境要因に対応していることが推察されたため、水温とA.tamarense出現密度および出荷自主規制開始日のデータを整理し、毒化時期の予測指標について検討した。

成果の内容・特徴 (1)仙台湾の水温指標とした田代島(図1)の旬平均水温が7.5℃を初めて下回った日(DU7.5,図2)が早い程、荻浜定点(図1)においてA.tamarenseが早い時期に出現し、最高出現密度に到達する時期も早くなった(図3)。DU7.5と、A.tamarenseが水柱の合計値で20cells/cm2を超えた日および最高出現密度に到達した日との間には強い相関(r=0.90~0.92)があった。また、A.tamarense総出現数もDU7.5が早い程多くなり、両者には強い相関(r= -0.84)があった。早い時期に7.5℃を下回り、この低温環境下に長期間あることが、A.tamarenseの増加にとって適していると考えられた。

(2)規制のなかった年を除いたDU7.5(x)と規制開始日(y)の間の相関係数は高く(r=0.91)、線形回帰式はy=1.1x+39.9であった(図4)。

(3)過去の貝毒モニタリングデータから得られた予測指標として、DU7.5が利用できると考えられた。

成果の活用面・留意点
(1)この指標は、仙台湾内の生産海域のどこかで、いずれかの貝種が最も早く規制値4MU/gを超える日を予測している。
(2)平成18年1月から、従来の貝毒原因プランクトン出現情報に加え、過去のモニタリング結果から得られた指標として、貝毒監視および生産計画立案の参考に情報提供を開始した。(宮城県水産研究開発センター・貝毒情報ホームページ:
http://www.pref.miyagi.jp/suisan-resc/kankyo/kaidoku.htm)


図表1 229853-1.pdf
カテゴリ 出荷調整 モニタリング

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