タイトル | アコヤガイ精子の凍結保存方法 |
---|---|
担当機関 | 三重県科学技術振興センター |
研究期間 | 2004~2006 |
研究担当者 |
磯和 潔(三重県栽培漁業センター) 古丸 明(三重大学) 青木秀夫(三重県科学技術振興センター) 太田博巳(近畿大学) 林 政博 |
発行年度 | 2006 |
背景・ねらい | アコヤガイは真珠養殖業における母貝として重要であり、選抜育種により優良な形質を持つ貝が作出されている。アコヤガイ種苗生産施設では、種苗の品質と生産を安定化させることが課題となっている。そこで、アコヤガイ種苗の形質の安定化を図るとともに、種苗生産業務の効率化を促進するため、液体窒素を用いた精子の凍結保存方法を検討した。 |
成果の内容・特徴 | 1.アコヤガイ精子が最も良く運動する条件について検討した結果、2 mMアンモニア添加海水に精子を希釈し、希釈30秒後の運動率を測定する方法が適していた。 2.容量が250μLのストローを用いて凍結・解凍したアコヤガイ精子の運動率を基に決定した最適な凍結保存条件は以下の通りであった(図1、図2)。 (1)凍害防御剤:10%メタノール、(2)希釈液:20%FBS+海水、(3)平衡時間:希釈3分後に凍結作業開始、(4)冷却速度:15-20℃/分、(5)液体窒素に浸漬する温度(到達温度):-50℃ 3.以上の条件で精子を凍結・解凍すると、凍結前に比べて30~40%の運動率を示した。 4.凍結精子で発生させたアコヤガイ幼生の成長、へい死率、摂餌能力は、新鮮(非凍結)精子による幼生と有意な差がなく、種苗の健全性に問題はないことが示唆された。 |
成果の活用面・留意点 | 1.アコヤガイ種苗生産における系統保存や育種、飼育管理作業の効率化 2.天然アコヤガイの遺伝資源の保存 |
図表1 | 229872-1.pdf |
カテゴリ | 育種 遺伝資源 凍害 |