タイトル | 自発摂餌システム実用化へ向けたマハタの海面飼育試験 |
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担当機関 | 三重県科学技術振興センター |
研究期間 | 2004~2006 |
研究担当者 |
栗山 功 |
発行年度 | 2006 |
背景・ねらい | 養殖漁場の環境負荷低減や、給餌コスト削減のために残餌の少ない効率の良い給餌技術が求められている。自発摂餌システムは魚が自発的にスイッチを操作して餌を得るシステムであり、平成14~15年度にかけて行った陸上水槽実験の結果から、給餌量の削減効果や水温変化による摂餌要求量の変化に応じた摂餌が確認されたので、海面生簀での実用化へ向けた飼育試験を実施した。 |
成果の内容・特徴 | 1.実験に用いた自発摂餌システムは、海面設置型自発摂餌給餌機とマイクロスイッチを用いた引っ張り型給餌スイッチ(以下給餌スイッチ)で構成される(図1)。このシステムを試験生簀へ設置したものを自発摂餌区とし、対照区として手給餌区を設けて飼育成績を比較した。供試魚にはマハタ当歳魚(約100g)を各区400尾用いた。 2.給餌スイッチは、試験開始初期には破損や誤作動が発生したが、改良を加えることで安定した作動が可能となった。また、自発摂餌給餌機はトラブルもなく1年以上連続使用が可能であり、海面生簀でも十分使用できるシステムが構築できた。 3.増重率、平均体重の推移からみて、自発摂餌区は海面生簀でも手給餌区と同様の成長を示すことが確認できた。(図2上段、図3) 4.餌料効率を比較すると、手給餌よりも自発摂餌区の方が若干良好な結果となっており、海面生簀においても手給餌並みの給餌が可能であることが示唆された。(図2下段) |
成果の活用面・留意点 | 1.海面生簀での自発摂餌の実用可能性が示せたが、本試験は数百尾程度の比較的小規模なものであり、より実用的な養殖規模での飼育試験を行うことで、本システムの養殖現場への導入が進むと考えられる。 |
図表1 | 229881-1.pdf |
カテゴリ | 環境負荷低減 コスト |