タイトル | 大型クラゲ混獲防除機能を持つ底びき網漁具の技術開発 |
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担当機関 | 島根県水産技術センター |
研究期間 | 2003~2005 |
研究担当者 |
沖野晃 村山達朗(鹿児島大学 井上喜洋) |
発行年度 | 2006 |
背景・ねらい | 平成7年以来数度にわたり、大量の大型クラゲが発生し漁業に大きな被害を与えている。特に、底びき網漁業では、漁具の破損、操業効率の低下や漁獲魚の損傷などにより、大きな被害が生じている。そこで、クラゲによる被害を減らすため底びき網の曳網中に大型クラゲを分離排出する機構の開発を試みた。 |
成果の内容・特徴 | 循環型回遊水槽を使用し、模型化した漁具に氷嚢で作成した模型クラゲを入網させその排出状況を実験した。その結果、水流によりクラゲを排出口まで到達させる傾斜を形成し、クラゲの排出を容易にする機構を開発した(図1)。排出機構は分離部と誘導排出部からなり、設置の仕方により模型クラゲは天井網、底網どちらからでも排出できる。またその基本構造は流速が変化しても大きく変わることはない。この実験結果を元に天井網から排出する沖底型と底網から排出する小底型の漁具を作製し操業試験を行った。操業試験の結果,入網した大型クラゲの50~70%を排出することができた(表1)。この時,漁獲対象種であるムシガレイ,ケンサキイカ,キダイでは,最大30%がクラゲとともに排出された(表2)。これら魚種による入網割合の違いは水中DVカメラでも観察されたが、魚種による入網時の行動の違いによるものであると思われた。 |
成果の活用面・留意点 | ・一部漁業者は、開発結果をもとに実操業で使用し成果を挙げている。 ・H17年のように、大量の大型クラゲが来遊した場合は、排出が間に合わず破網、操業不能が多発した。これを解決するためには、袖網の改造や、網高さの調整など、網内へのクラゲ入網量自体を削減する技術の開発が必要。 |
図表1 | 229889-1.pdf |
カテゴリ | 病害虫 防除 |