ゴマサバ組織中に見られた高DHA含有量

タイトル ゴマサバ組織中に見られた高DHA含有量
担当機関 長崎県総合水産試験場
研究期間 2002~2006
研究担当者 大迫一史
発行年度 2006
背景・ねらい
長崎県におけるサバ類の水揚げ量は年間約7万トンを占めるが,このうちゴマサバが占める割合がマサバに比較して近年増大しているようである(漁業関係者からの聞き取り)。一方,ゴマサバは,表皮の斑点および肉質の脆弱さから,マサバに比較して鮮魚や水産加工原料としての市場価値が低位にあるため,付加価値向上策が求められている。今回,我々は,本魚の市場性の向上,および利用特性を明らかにすることを目的として脂質性状および脂肪酸組成を明らかにした。

成果の内容・特徴 ゴマサバScomber australasicusの筋肉,肝臓,幽門垂,その他の内臓および胃内容物中の脂質クラスおよび脂肪酸組成を調べた。DHAは,肝臓TAGを除き,諸器官の主要脂質クラスであるTAG,ホスファチジルエタノールアミン(PE),およびホスファチジルコリン(PC)の主要構成脂肪酸であった。粗脂肪(TL)中のDHA組成比は,筋肉,肝臓,幽門垂,およびその他の内臓において,それぞれ,18.6-27.5%,9.1-15.6%,18.2-18.5%,および17.0-17.3%と他の一般的な魚種と比較して高い値を示した。特徴的であったのは,中性脂質であるTAGにおいても,諸器官中のDHAは高い値で17%もの組成比を占め,これは大型のサバ科魚類(コシナガ)において報告されている結果と同様であった。以上の結果から,ゴマサバはサバ科のなかでは小型であるが,大型の回遊性サバ科魚類と比較して同程度のレベルのDHAを諸器官のTLおよびTAG中に有することが明らかになった。

成果の活用面・留意点
・ゴマサバ筋肉中のDHAレベルは,過去に報告されているマサバのそれよりも高いことが明らかになり,このこと  は,本魚の高付加価値化のための基礎知見となる。

・加工残滓から有用脂質を得る場合,一般に,極性脂質よりも中性脂質の方が容易であるが,ゴマサバは中性脂質 に高レベルのDHAを含むため,これを回収しやすい。

・但し,今後,脂質の安定性や人体への取り込みについての知見を得るうえで,DHAを含むTAGの分子種の解明等が 必要である。


図表1 229894-1.pdf
カテゴリ 加工 高付加価値

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