タイトル | 過熱水蒸気によるボイル水産加工品の高品質化 |
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担当機関 | 北海道立網走水産試験場 |
研究期間 | 2004~2004 |
研究担当者 |
網走水産試験場 加工利用部 蛯谷幸司 |
発行年度 | 2006 |
背景・ねらい | 過熱水蒸気は、熱伝導に優れ、加熱時の酸化防止が可能であることなどから、食品加工への導入が期待されている。本研究では、乾ほたて貝柱の一番煮やミズダコの煮熟工程において、煮熟の代替として過熱水蒸気(株式会社直本工業製、350スチームDCオーブン)を用いた場合の製品の品質について検討した。乾ほたて貝柱では遊離アミノ酸量と褐変度、煮ダコでは歩留まり、遊離アミノ酸量および肉質の硬さを指標として、製品の高品質化のための加熱温度及び時間等について比較検討した。 |
成果の内容・特徴 | (1)乾ほたて貝柱製造において、過熱水蒸気によるホタテガイ(約200g/枚)一番加熱後の貝柱歩留まりは、通常のボイル(対照)とほぼ同じ12~14%程度であった。遊離アミノ酸の総量は、過熱水蒸気が高温になるほど高く、旨み成分の損失を少なくできる可能性が示唆された。 (2)乾ほたて貝柱製品の褐変は、ボイルに比べ、過熱水蒸気は抑制される傾向がみられた。また、この傾向は35℃6週間保管後でも同様であった。本試験から、過熱水蒸気によるホタテガイの一番煮の製造条件としては、180℃5分程度が最適と判断された。 (3)煮ダコの製造において、過熱水蒸気によるミズダコ(脚部直径70mm程度)の歩留まりは、5~7分の加熱で、ボイル(対照)とほぼ同じ94~95%程度であった。旨み成分である遊離アミノ酸の残量は、180℃5~7分の加熱が、対照に比べ、高い値であった。また、食感(肉質)では180℃5分が対照よりも柔らかく、7分ではほぼ同じであった。これらの結果から、過熱水蒸気によるミズダコ胴肉の加熱は、180℃5分間程度が最適を判断された。 |
成果の活用面・留意点 | 水産加工情報などでの広報や、過熱水蒸気発生装置の貸出等により技術の普及を図る。 |
図表1 | 229897-1.pdf |
カテゴリ | 加工 |