ソデイカの遊泳水深帯と漁具水深は一致しているか?

タイトル ソデイカの遊泳水深帯と漁具水深は一致しているか?
担当機関 兵庫県立農林水産技術総合センター
研究期間 2004~2006
研究担当者 宮原一隆(兵庫県立農林水産技術総合センター但馬水産技術センター)
光永靖(近畿大学農学部)
太田太郎(鳥取県栽培漁業センター)
発行年度 2007
背景・ねらい
近年、日本海におけるソデイカの来遊資源水準は高位にあり、兵庫県の但馬地域において重要な沿岸漁業対象種となっている。しかしながら、本種の移動回遊生態や摂餌生態については不明な点が多く、将来に向けた持続的な資源利用への大きな不安材料となっている。そこで、超音波発信機による追跡調査や小型水温水深計(ロガー)を用いた標識放流調査により日本海西部におけるソデイカの遊泳水深帯に関する情報を獲得するとともに、同様の水深計を用いた漁具挙動計測により、将来的な漁具改良に資する知見の蓄積を目指した。

成果の内容・特徴 ソデイカを対象としたバイオテレメトリー調査手法を確立し、追跡調査で3個体、小型水温水深計による標識放流調査で24個体から遊泳水深と水温のデータを獲得した。ソデイカの遊泳層は規則正しい日周性を示し、日中は水深60-80mを中心としたやや深い層に、夜間はほぼ表層近くに分布の中心があった(図1)。分布水深帯と体長サイズとの間に明確な関連性は見られなかった(図2)。経験水深は最大で300m以上、経験最低水温は1-3℃であった。
 本種は主に日中操業の「樽流し立縄漁法」で漁獲されている。漁具挙動計測の結果、現場海域で用いられている標準的な立縄漁具の漁具水深(針の水深)は、幹縄長の100mとほぼ同様かやや浅かった。

成果の活用面・留意点
・本研究で獲得されたソデイカの知見については、漁業者向けシンポジウムやパンフレットにより公表している(日本水産学会誌73(5)、979、2007)。
・ソデイカと漁具との遭遇機会を増加させるためには、現状の幹縄長の短縮等の方策が考えられる。今後、ソデイカの摂餌生態(餌に対する攻撃方向等)の解明等により、本格的な漁具改良を進めて行く必要がある。


図表1 229961-1.pdf
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