マアナゴ稚魚の保護で2年後の漁獲量を増やす

タイトル マアナゴ稚魚の保護で2年後の漁獲量を増やす
担当機関 宮城県水産研究開発センター
研究期間 2003~2006
研究担当者 雁部総明
高橋清孝
発行年度 2007
背景・ねらい
仙台湾の重要魚種であるが、近年,漁獲は大きな年変動を示し,減少傾向にあることから,漁獲の安定化を目指した資源管理の取り組みが求められている。

成果の内容・特徴 1)仙台湾におけるマアナゴの資源管理方策を検討するため,レプトケパルスや着底稚魚の採捕数と漁獲量の関係を調べた。
2)1995~2005年における年間漁獲量は300~500トンの範囲内で変動し,年変動が大きい。水揚げされたマアナゴの全長組成は40~60cmが大部分を占め,3月に小型底曳網で漁獲したマアナゴは86%が2歳魚であった。
3)1983~1991年に石巻湾沿岸部で実施したシラス曳き調査によるレプトケパルス平均採捕尾数と2年後の漁獲量について検討したところ,両者に有意な正の相関が見られた。1999年から2004年には,石巻湾の水深10m前後の5定点においてソリネット5分曳きにより着底稚魚を採集した。この結果,着底稚魚と2年後の漁獲量との間には有意な正の相関が認められた。
4)田代島定置水温の3~4月の月間平均水温が高い年には漁獲量が増加する傾向が見られた。
5)これらのことから、マアナゴの漁獲量変動には,2年前におけるレプトケパルス来遊数や着底稚魚の分布量が影響していると考えられ,さらに漁獲年の春季における親潮の動向も関与している可能性が示唆された。

成果の活用面・留意点
1)稚魚の来遊量が多いと2年後の漁獲量が増加することから、稚魚の保護が重要である。
2)ほとんど2才で漁獲されるため、漁獲量は2年前の稚魚の来遊量に強い影響を受けることから、小型魚を漁獲しない取り組みを継続・拡大する必要がある。
3)宮城県は本研究成果等に基づいてマアナゴの資源回復計画を策定中である。


図表1 229976-1.pdf
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