タイトル | 「板うに」の適正なミョウバン処理方法について |
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担当機関 | 山口県水産研究センター |
研究期間 | 2005~2006 |
研究担当者 |
田中良治 嶋内潤 齋藤義之 |
発行年度 | 2007 |
背景・ねらい | 「板うに」の型くずれ防止のために使用されるミョウバンは、濃度の高い溶液では独特の渋味を持つため、処理方法の違いにより品質がばらつく。そのため市場からは、ばらつきをなくすための技術の開発要望がある。そこで、板うにの品質のばらつきをなくし、高付加価値化を推進するため、適正なミョウバン処理方法を検討した。 |
成果の内容・特徴 | 1.板うに加工技術について、市場および漁協からの評価の高い漁業者3名を対象に実態調査を実施した。調査は夏季に実施し、項目は処理水温、ミョウバン濃度、処理時間とした。各漁業者が加工した板うにのうち、処理時間の短いものと、長いものを購入し、当センター職員9名により食味試験を実施した。 その結果、漁業者により処理方法に幅があること、同一の漁業者が加工した板うにであっても処理時間により渋味の有無があることがわかった(表1)。 2.1の結果を基に加工試験を実施した。ミョウバン濃度は0.25%および0.7%とし、加工にはアカウニを用い水温20℃、および30℃で行った。処理時間は表2および表3のとおりとした。加工した板うにを用い、食味試験及び日持ち試験を実施した。食味試験は実態調査と同様に行った。さらに、板うには高級食材であり、いわゆる食通に消費されることが多いと考えられることから、味覚に鋭敏と考えられる料理人7名をパネリストとして渋味の有無を評価した。日持ち試験は型くずれの度合いを5段階で評価した。 その結果、ミョウバン濃度0.25%では4分以内、0.7%では水温20℃の場合1分以内、水温30℃の場合30秒以内(表2、3)の処理では板うには渋くならないことがわかった。また、今回実施した方法では、板うにの日持ちには大きな差異はなかった(表4、5)。 3.板うにへのミョウバンの浸透度合いを把握するため、処理方法を変えて加工した板うに中のアルミニウム濃度を測定した。 その結果、処理時間に伴い板うに中のアルミニウム濃度は増加すること、水温や処理に用いるミョウバン濃度が高いほど、板うに中のアルミニウム濃度は高くなることがわかった(図1、2)。 |
成果の活用面・留意点 | マニュアル配布や説明会等を通じて、成果の普及に努めている。 |
図表1 | 230028-1.pdf |
カテゴリ | 加工 高付加価値 ばら 良食味 |