オイカワの種苗生産効率を高める

タイトル オイカワの種苗生産効率を高める
担当機関 福岡県水産海洋技術センター
研究期間 2006~2006
研究担当者 佐野二郎(福岡県水産海洋技術センター内水面研究所)
発行年度 2007
背景・ねらい
 オイカワの種苗生産の際の採卵手法として,人工採卵と自然採卵の2通りがある。前者では,熟度選別や採卵作業で魚体に何度も直接触れるので,斃死や採卵率の低下が起こりやすい。そのため,魚体に接触する機会が最小限で済む自然採卵方式がよく用いられる。しかし,この方法では一度に多くの卵を採卵することが難しい。本研究では,(1)天然親魚の飼育方法,(2)親魚への昇温刺激の有効性,(3)採卵に用いる親魚の雌雄比,(4)産卵床に用いる砂利の粒径,(5)産卵床設置箇所の流速と水深,について条件を変化させて産卵数を比較することにより,大量の卵を安定して採取するために必要な条件の検討を行った。

成果の内容・特徴 1.採卵試験には,これまで本県で自然採卵に用いてきたカゴ式産卵床(プラスチック製カゴに開口部が442μmのポリエチレンネットを敷き,その中に砂利を厚さ5cm程度敷いたもの)を用いた。(写真1)
2.年間を通じほぼ一定温度である地下水と季節的な温度変化のある河川水(図1)で飼育した親魚を用い、それぞれ採卵を行った結果,河川水飼育の親魚からは地下水飼育の親魚の約12倍の卵を採取できた(図2)。
3.親魚の疾病対策のため飼育水として地下水を用いる必要があるが,秋から春にかけて注水量を少なくすることで水温の季節変化を創出し,成熟を促すとともに斃死を抑えることができた。
4.親魚を飼育水槽から産卵水槽に移す際,5℃以上の昇温を行うことで産卵が誘発・促進された(図3)。
5.河川の産卵場付近では,雄約5尾,雌約10尾で構成された群がよく観察された。そこで雄と雌の比率を河川と同じ1:2としたもの,1:3及び1:4というように雌の割合を上げたものの3パターンで産卵数を比較した結果,雄雌比が1:2の時に最も採卵数が多かった(図4)。
6.粒径の異なる3種類の砂利(大(長径2.5cm),中(長径1.7cm),小(長径1cm)。写真2)を産卵基質として使用し産卵数を比較したところ,小径の砂利の場合ほど産卵数が多く、流速はどの粒径の砂利においても,早い(0.4m/s)ほうが産卵数が多かった(図5)。産卵床設置水深については差は見られなかった。

成果の活用面・留意点
 効率的に採卵する技術については,普及レベルまで開発できた。今後は希望する機関への技術普及に努めるとともに,ふ化後の仔稚魚の育成技術についてより簡便かつ効率的な手法の検討を行っていく。


図表1 230039-1.pdf
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