タイトル | 全雌三倍体ニジマスの鮮度を長く保つ方法 |
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担当機関 | 栃木県水産試験場 |
研究期間 | 2006~2008 |
研究担当者 |
阿久津 正浩 加賀 豊仁 栃木県水産試験場 水産技術部 渡邊 長生 |
発行年度 | 2007 |
背景・ねらい | 現在、輸入鮭鱒類の増加や国民の魚食離れなど様々な要因により国内養鱒業は非常に厳しい状況に陥っている。この局面を打開するためには「高品質」、「高付加価値」、「安全・安心」などの消費者ニーズに合致した魚づくりをより一層進めていく必要がある。そこで輸入鮭鱒類に比べ圧倒的な優位にある生産地と消費地の近さを活かし、全雌三倍体ニジマスを高鮮度な状態で消費者へ提供する目的で、活きの状態を長く保てる致死方法、保蔵方法を検討した。 |
成果の内容・特徴 | ・致死方法の違い(1:脱血のみ、2:活けしめ・脱血、3:活けしめ・脱血・脊髄破壊、4:氷冷麻酔・活けしめ・脱血)、保蔵温度の違い(1:0℃と2:5℃)と死後硬直の関係を調査した。死後硬直の測定方法については図3に示した。 ・活けしめを行った試験区では、脱血のみの試験区に比し、完全硬直に至る時間を大幅に遅延することができた(図1,2)。 ・氷冷麻酔と脊髄破壊については有効性を確認することができなかった(図1,2)。 ・0℃保蔵に比べ5℃保蔵の方が、完全硬直に至る時間を遅延することができた。(図1,2)。 ・通常、養殖経営体からの出荷は砕氷もしくは水氷に浸漬させる方法が採られている。今回、有効性が高かった5℃保蔵による出荷を実現させるためには、発泡スチロール製容器に袋氷を入れて空冷する方法が有効であった。保蔵開始時より徐々に発泡スチロール製容器内温度が下がり、12時間後には保蔵に最適な5℃前後の温度に推移した。 |
成果の活用面・留意点 | 全雌三倍体ニジマスの鮮度保持方法(活けしめ、脱血、5℃保蔵)を確実に生産者、加工業者へ普及することで、高鮮度な魚の消費者への提供が可能となり、国産養殖鮭鱒類の付加価値向上を図ることができる。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 加工 経営管理 高付加価値 出荷調整 |