スルメイカの生まれた時期の違いを調べる

タイトル スルメイカの生まれた時期の違いを調べる
担当機関 北海道立中央水産試験場
研究期間 1989~2008
研究担当者 釧路水産試験場資源管理部 坂口健司
中央水産試験場資源管理部 佐藤充
発行年度 2008
背景・ねらい
スルメイカは,主に秋から冬にかけて山陰沿岸から東シナ海で生まれ,その後日本海と太平洋を北上すると考えられている。北海道周辺へは,日本海と太平洋を北上した生まれ時期が違うスルメイカがやって来る。より正確な漁況の予測や,資源量推定を行うためには,いつ生まれたスルメイカがどの時期にどこの海域に分布しているのかを知ることが重要である。そこで,北海道周辺海域を4海域に分けて,各海域の漁獲時期別の生まれ時期を推定した(図1)。生まれ時期の推定には,スルメイカの平衡石を用いた日齢解析を行った。
成果の内容・特徴 (1)道西日本海では,6月から9月には10~12月生まれが,10月以降には1~5月生まれが主に分布していた(図2)。
(2)道南海域では,5月から6月には11~12月生まれが,8月には11~3月生まれが,10月には1~5月生まれが主に分布していた(図3)。
(3)道東太平洋では,8月から9月には12~3月生まれが,10月から11月には主に3~4月生まれが主に分布していた(図4)。
(4)オホーツク海では,10月から11月には3~5月生まれが主に分布していた(図5)。
(5)以上から,5月から9月にかけては日本海を中心に11~12月生まれが分布し,8月頃から太平洋で1~5月生まれの来遊が始まり,10月から11月には北海道周辺全域へと分布を広げていることが分かった(図6)。
成果の活用面・留意点
(1)標識放流による移動情報と合わせることによって,スルメイカの移動回遊がより一層明らかになることが期待される。
(2)分布するスルメイカの移動回遊や発生時期が明らかになることで,資源評価および漁況予測の精度向上が期待される。

図表1 230083-1.pdf
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