漁業経営のモデル化による小型底びき網漁業と企業体労働者の労働生産性比較

タイトル 漁業経営のモデル化による小型底びき網漁業と企業体労働者の労働生産性比較
担当機関 山口県水産研究センター
研究期間 1985~2007
研究担当者 木村 博
発行年度 2008
背景・ねらい
山口県瀬戸内海における漁業生産は、1987年に36,955トンであったものが2006年には11,680トンと20年間で32%まで減少した。漁業生産を増大させるためには、経営体数および生産量のいずれにおいても第一位に位置する小型底びき網漁業の活性化が必要であると考えたので、小型底びき網漁業生産性の動向把握と問題点の摘出を行った。
成果の内容・特徴 小型底びき網漁船19隻を対象とした2006年の標本漁船日誌調査結果から小型底びき網漁業の月別労働と水揚げ金額に関するモデル値を作成した(表1)。2006年1月から同年12月まで月別に調査した2経営体についての漁業経営収支調査結果から小型底びき網漁業操業月を抽出して、最小自乗法により月間の漁業収入と漁業支出の関係式ならびに損益分岐点を求め(図1)、また、月間の漁業収入と所得の関係y=-166322+0.760xを求めた。漁業収入と漁業支出の関係式に標本船日誌調査から得たモデル値を代入した結果、減価償却を行いつつ、小型底びき網漁業の自家労賃が山口県内企業労働者(企業規模10~99人)の給与等と同等になる年間水揚げ金額は、8,883千円、現状の2.11倍であった。この水揚げ額を達成するためには、年間出漁回数221回が必要であるが、この場合は、年間労働時間が企業体労働者の1.37倍となるので、小型底びき網漁業の生産性向上が必要であると考察した。
成果の活用面・留意点
・小型底びき網漁業の生産性を向上させるため、流通関係、漁業制度関係および漁業振興関係の行政部門に総合施策展開を求める資料とする。
・鮮度保持技術開発、選択制漁具開発、資源管理研究を推進する資料とする。

図表1 230127-1.pdf
カテゴリ 経営管理 鮮度保持技術

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