加温越冬クエ1歳魚の海面養殖結果

タイトル 加温越冬クエ1歳魚の海面養殖結果
担当機関 三重県水産研究所
研究期間 2006~2008
研究担当者 三重県水産研究所尾鷲水産研究室 栗山 功
発行年度 2008
背景・ねらい
クエは高級魚で養殖対象種として有望である。近年、クエの種苗生産技術の開発が進み、万尾単位での生産が可能となり、養殖が行われつつある。しかし、18℃を下回る低水温期には摂餌、成長が停滞してしまい、三重県では、平均体重1kgまでに3年以上の期間が必要とされることや、100g未満の稚魚では、越冬時に全滅させてしまう事例もあるため、養殖は困難とされている。一方、閉鎖循環式養殖システムにより加温飼育したクエは高成長を示すことや、1歳以上のクエでは低水温期でも大量死しないことから、加温越冬クエ1歳魚を夏季に海面生け簀へ導入し、生残率の向上と高成長を目的として飼育試験を行った。
成果の内容・特徴 閉鎖循環式養殖システムで加温飼育したクエ1歳魚(196g)を、水温の高い8月に海面生け簀(3m×3m×3m)へ導入した。給餌にはマダイ用EPを用い、週5日飽食させた。

飼育期間は2006年8月22日から2008年9月16日までの756日間であった。図1に飼育期間中の水温、クエの成長および斃死尾数の推移を示す。2006年10月から2007年1月にかけて、供試魚の26.2%が死亡し、死因の81.1%がウイルス性神経壊死症(VNN)であった。一方、最も水温の低い2、3月では2007、2008年両年とも死亡は確認されず、加温越冬クエ1歳魚を用いることにより、安全に越冬することが可能と考えられた。表1に飼育成績を示す。試験期間中に平均体重約200gから1.3kgまで成長したことから、本方式によって海面で2年間飼育すれば十分出荷可能と考えられ、実用化の可能性が示唆された。
成果の活用面・留意点
本方式により、低水温期の死亡率を下げることは可能と考えられるが、VNNによる死亡が多く、VNN対策技術の開発が必要である。給餌頻度の検討や餌の開発を行うことにより、より効率的な養殖が可能と考えられることから、これらの技術開発を実施していく。

図表1 230142-1.png
図表2 230142-2.png
カテゴリ 出荷調整

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