タイトル | サケ定置網漁業における選別作業の労働負荷分析 |
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担当機関 | 漁業生産工学部 |
研究期間 | 2007~2007 |
研究担当者 |
高橋秀行 佐伯公康 長谷川誠三 渡辺一俊 |
発行年度 | 2008 |
背景・ねらい | 漁業就業者の減少,年齢構成の高齢化や後継者不足が深刻化している。高齢者でも無理なく働けて,さらに若者が魅力を感じるような,安全で快適な労働環境を実現するための研究が必要である。そのためには,実際の漁業労働を詳細に観察し,人間工学的な観点から評価を行った上で,必要に応じて労働のあり方を再検討することが肝要である。 |
成果の内容・特徴 | 北海道・野付漁協のサケ定置網漁業を調査対象とした。同漁業では,定置網に入網したサケを漁獲,運搬船の魚倉に収容した後に帰港し,選別用設備を設置した岸壁で陸揚と同時に雌雄と等級を選別してコンテナに投入する。選別されたサケはセリの後に,近隣の加工場等へ運搬される。これら一連の作業のうち,岸壁での陸揚・選別作業を対象として,労働負荷を分析した。対象とする作業をビデオ撮影し,OWAS(Ovako Working-posture Analyzing System)法によって労働負荷を求めた。OWAS法は作業姿勢情報に基づいて労働負荷を4段階で判定する手法であり,世界的に広く用いられている。分析の結果,対象作業の労働負荷は,概ね適正な範囲内に収まっていることが判明した。単一魚種を対象とする利点を活かし,適切な選別作業台等の設備を活用して適正な作業姿勢を確保している様子が伺われた。 |
成果の活用面・留意点 | 漁業労働を分析した研究事例は非常に少なく,その実態は科学的にはほとんどわかっていない。本研究のような事例調査を積み重ねて,漁業労働の実態を明らかにするとともに,必要に応じて改善方策を検討する等して,労働環境の整備を進めることが肝要である。特に,今回調査した選別用設備のような知見を蓄積し,必要に応じて他の漁業種等の労働改善に応用することが重要である。 |
図表1 | 230147-1.pdf |
カテゴリ | 加工 せり |