大型クラゲの分布状況を詳細に調べる手法の開発

タイトル 大型クラゲの分布状況を詳細に調べる手法の開発
担当機関 漁業生産工学部
研究期間 2006~2008
研究担当者 長谷川誠三
貞安一廣
本多直人
発行年度 2008
背景・ねらい
大型クラゲの分布状況を知る方法として、従来から、船上からの目視観測や曳網などの調査が行われてきたが、鉛直的な分布も含め広域かつ迅速に把握する方法としては不十分であった。本研究では、光学的手法と音響的手法を組み合わせることにより分布状況を迅速かつ詳細に調べる方法を開発した。
成果の内容・特徴 【光学的手法】上向き曳航ビデオカメラ (Towed Upward-looking Video Camera; TUVC)を開発した(図1)。コントラストが際立ち他方向よりも対象物を明瞭に識別でき(図2)、画角、深度、曳航距離より観察体積が算出可能となった。また、海面付近のクラゲ密度を定量的に把握できる。実験では、目視観察時の10倍以上のクラゲを計数できた。また、この時に目視で可能であった深度はわずか1.5m程度と推定できた。単眼カメラではあるが、視野通過時間を測定することで、クラゲの遊泳深度や傘径を求めることが可能である。
【音響的手法】大型クラゲと他の生物の「大きさの違い」を魚探映像上で際立たせるために、短いパルス幅の超音波を非常に速く発信するような設定で計量魚群探知機を使用し、さらに調査船速を遅くすることにより、高解像度のエコーグラムを得た。その結果、大型クラゲとその他の生物の音響反応は、鉛直方向の高さに明確な違いが生じ、魚探映像上での判別が容易となった(図3)。また、大型クラゲの音響反応のみを抽出することにより、詳細な水平分布および鉛直分布を調べることが出来た(図4,5)。
成果の活用面・留意点
三次元軸分布を海面付近も含め容易に定量的把握が可能。計量魚群探知機は、パルス幅、ピングレートの設定が可能な機種に限られ、音響反応の判別には、多少の経験が必要であり、自動計測は現行では不可能。

図表1 230150-1.pdf
カテゴリ 自動計測

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