登熟性良好・良食味中生水稲新品種「岩手36号」

タイトル 登熟性良好・良食味中生水稲新品種「岩手36号」
担当機関 岩手県立農業試験場県南分場
研究期間 1992~1992
研究担当者
発行年度 1992
要約 岩手県では「あきたこまち」級の中生種で、登熟性良好・良食味の「岩手36号」を育成、奨励品種に採用し、岩手県中南部の作柄及び品質の安定化・産米評価の向上を図る。
背景・ねらい 岩手県の「あきたこまち」は県中南部の平坦地、中南部沿岸地帯に作付けされ、
年々その栽培面積が増加するとともに、品質・収量の面で不安定さが指摘されている。
一方、「チヨホナミ」は多収性の中生品種であるが、いもち病に弱いこともあり
作付けが延びていない。そのため、岩手県の県中南部平坦地・中南部沿岸地帯に
適する中生品種が要望されていた。
成果の内容・特徴
  1. 「岩手36号」は岩手県立農業試験場で、「初星」を母親、「はなの舞」を父親として
    交配、F5世代から同県南分場で選抜育成した。
  2. 出穂期は「チヨホナミ」並、成熟期は「あきたこまち」よりやや早い「中生の早」。
  3. 稈長は「あきたこまち」よりやや短い「中」。穂長は「あきたこまち」よりやや短い
    「やや短」。穂数は「あきたこまち」より多い「多」。中稈の偏穂数型品種。
  4. 耐倒伏性は「あきたこまち」より強く、「チヨホナミ」に近い「中」。
  5. 収量性は「あきたこまち」並~多収(特に現地)。
  6. 玄米千粒重は「あきたこまち」より重い。玄米の外観品質は「あきたこまち」並。
  7. いもち病真性抵抗性遺伝子型はPi-i。葉いもち病・穂いもち病の圃場抵抗性は
    「あきたこまち」並の「中」。障害型耐冷性(減数分裂期~出穂期)は「中」。
    穂発芽性は「トドロキワセ」並の「難」。
  8. 食味評価は「チヨホナミ」より良好、「あきたこまち」並~良好。
表1
成果の活用面・留意点 上記の特性を持つ「岩手36号」を奨励品種とし、本県中南部の作柄及び品質の安定化・産米評価向上を
図る。適応範囲は北上川中下流地帯・中南部沿岸地帯の標高100~200mかつ出穂後40日間の
登熟積算気温840℃以上確保可能な地域。最大普及見込み面積は23,000ha。種子の休眠性が
強いため、催芽前の浸種を十分に行う。いもち耐病性は「チヨホナミ」に優るが、「あきたこまち」
程度のため、「あきたこまち」に準じた適期防除に努める。
図表1 230207-1.gif
カテゴリ 病害虫 いもち病 新品種 水稲 多収性 抵抗性 抵抗性遺伝子 品種 防除 良食味

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる
S