タイトル |
未成熟そらまめに発生するBYMV-Nによるモザイク病の総合防除法 |
担当機関 |
青森県農業試験場 |
研究期間 |
1992~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1992 |
要約 |
未成熟そらまめのインゲン黄斑モザイクウイルスえそ系によるモザイク病の防除には、薬剤防除に加えて周辺のシロツメクサ等の保毒伝染源植物の除去、早期発病株の抜き取り、アブラムシ忌避資材の使用などを組合せた総合防除が有効である。
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背景・ねらい |
未成熟そらまめは近年需要が拡大し、また、転換畑でも栽培が容易にできるため転作作物と しても有望視されている。しかしアブラムシ類によって伝搬される インゲン黄斑モザイクウイルスのえそ系によるモザイク病は、そらまめの品質・収量を 著しく低下させ、産地育成の大きな阻害要因となっている。そこで、そらまめの 安定生産により産地化を図るため、本病に対する有効な防除法について検討を行った。
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成果の内容・特徴 |
- 圃場周辺い自生するシロツメクサのインゲン黄斑モザイクウイルスの保護株率は
61.5%と高率であった。シロツメクサは多年草の草本であり、主要な 保毒伝染源植物となっている可能性が高いため除草を心がける。
- 罹病した株は収量・品質とも健全株に比較して著しく低下し、開花終了後早期に
発病したものでは収穫は期待できない。また、収穫間近でも発病による品質の低下が 大きいため、発病株は発見し次第二次感染を防ぐために圃場外に除去する (図1)。
- アブラムシの忌避資材を使用した区では、無処理区と比較してモザイク病の発病率は
明らかに低下した。アブラムシ類有翅虫の圃場からの飛来による一次感染率を低下 させるために、忌避資材の重要性は高い (表1)。
- 忌避資材と併せて土壌処理剤による早期罹病の予防、及び茎葉散布剤による防除を
行うことでモザイク病の発病はより抑えられた。モザイク病を効果的に防除するには、 耕種的防除とこれらを組み合わせた総合的防除が有効である。
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成果の活用面・留意点 |
- シロツメクサは主として地下茎で増殖し、その繁殖力は高いため除草を徹底する必要がある。
また、シロツメクサ以外の保毒伝染源植物の除去にも留意する。
- 忌避資材のシルバーテープはそらまめの生育に合わせ、常に茎頭頂部に展張する。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
除草
そらまめ
土壌処理
繁殖性改善
防除
未成熟そらまめ
薬剤
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